用語解説

財界4団体
経団連、日本商工会議所、日経連、経済同友会の4つをいう。
最高限度量
内航海運業法では、運輸大臣は船種別の船腹量が、適正船腹量に照らして著しく過剰になる恐れがあると認めるときは、その船種別の船腹量の最高限度を定めることができるとしている。最高限度量を設定した場合は、その船種について、船腹が最高限度を超えることとなる一切の許可、認可をしてはならないことになっているので、内航海運業を営むにあたっての許可や事業計画の変更認可などが対象となるため、その船種に関し船腹量の増加が制限されることになり、自家用船舶の届け出に対しても厳しく制限されることになる。
(財)港湾運送近代化基金
この基金(財団)は、(財)港湾近代化促進協議会、(社)日本港運協会、船会社ならびに荷主の関係団体を発起人として、1969年(昭和44年)8月に設立された。設立の目的は、港湾運送事業の近代化のための施設の設備、資金の調達にかかわる助成および調査研究などを行うこととしている。基金の資金は、港湾近代化促進協議会の保有していた近代化に関する特殊勘定の引継ぎと、港湾運送事業者の取扱いトン数に応じた拠出金によって構成されているが、途中使途の変更もあって、1987年(昭和62年)7月以降は、『港湾運送高度化基金』として拠出されている。従って、基金は現在、近代化基金と高度化基金との2つの運営がある。基金の事業は、当初の目的である荷さばき施設の拡充整備への助成、荷役機械の拡充整備への助成、過剰はしけの買上げ廃棄などに加えて、高度化事業として、大規模物流センターの整備に対する利子補給、物流情報システムの開発に対する補助などを行っている。
最大持続生産量(MSY)
毎年再生産される資源の増加分だけ漁獲すれば、元本にあたる資源量は温存されるから持続的に漁獲が行える。生物資源の特性として、その増加分が最大になるような適度の資源量があり、そのところで持続可能な漁獲量もまた最大になる、という理論である。それをMSY(最大持続生産量)という。1950年~60年代に広く普及した理論である。
在来船
以前は各種専用船に対して一般的な貨物船の事を指していたが、近代化船出現以降は近代化船以外の日本籍船のことも意味する。
作業の標準化策定検討委員会
漁業現場において、船内作業の災害を防止するには作業者の注意が必要であるが、注意力の維持には限界があるとの観点から、作業の開始から終了までの作業ごとの正しい作業動作の手法と手順に関するマニュアルを策定して災害防止に寄与しようとすることを目的に設置された委員会で、まき網漁業や沖合底ひき網漁業について、作業の標準化策定を行った。
サブスタンダード船(基準以下船)
国際条約で定められている設備、証書や資格要件等の基準を満たしていない基準以下船のことである。これらの船はポート・ステート・コントロールの対象となり、入港国のインスペクターにより、安全性が確認されるまで拘留されることがある。
サプライチェーンマネジメント(SCM)
荷主企業の原材料・部品の調達から製造、流通、販売までの生産から最終消費者にいたるまでのモノの供給の流れを「供給の鎖(サプライチェーン)」ととらえ、そこに参加する部門・企業の間での情報を相互に共有・管理することで、ビジネスプロセスの全体最適を目指す戦略的な経営管理手法のこと。
 企業にとっての具体的な目的は、納期短縮・欠品防止による顧客満足の最大化、流通在庫を含む在庫・仕掛品の削減によるキャッシュフローの最大化などが挙げられる。
 SCMというコンセプトの根幹は、サプライチェーンの鎖の一つ一つ(企業)の個別最適(部分最適)ではなく、鎖の「全体最適」を図るということである。市場での最終需要や販売力が弱いのに、製造単価を下げるためといって生産量を増やせば不良在庫を増やすことになり、逆に、強力な販売網を構築しても生産や物流の能力や生産計画が適切に対応しなければ部品不足などで荷主企業は販売機会を喪失することとなる。このような無駄をいかに解消するかがSCM実践の最大テーマとなっている。そのため、生産計画・在庫計画・販売計画および補充計画を関係企業間で調整し、その計画に沿って生産や物流を行うことが重要性を増している。
 SCMはボーイング社の部品調達におけるCALSやトヨタ自動車の「かんばん方式」の研究に由来するため生産管理・生産計画を中心に「サプライ(供給)」という視点で名付けられたが、逆に需要側からこのシステムを構築する「デマンドチェーンマネジメント」という言葉もある。また、物流や在庫管理を中心に考える「ロジスティックス」、加工食品業界でいう「ECR(Efficient Consumer Response)」、繊維・アパレル業界でいう「クイックレスポンス(QR)」なども、基本的な考え方は共通している。
サボタージュ(怠業)
ストライキと異なり、組合員が就労しながら生産能率を低下させる戦術。
サミット(Summit=先進国首脳会議)
仏、米、英、独、日、伊、加(第2回から)のG7首脳によって、1975年から毎年1回開かれている国際会議。ロシアのエリツィン大統領がパートナーとして政治協議に出席したことに象徴されるように、冷戦構造の枠組みの中で始まったサミットは今や大きく趣を変えている。今サミットの経済宣言では、世界経済にかかわる国際通貨基金(IMF)・世界銀行などの既存の機関や制度の見直し、WTO(世界貿易機構)の発足に向けた各国のWTO条約年内批准、構造的な雇用対策への取り組み等をうたっている。
3・6協定
労働基準法では8時間労働の原則および週1回の休日制が定められている。こうした原則に係わらず、それを超えて時間外労働および休日労働をさせる場合の労使間の協定をいい、労働基準法36条に定められていることからこの名前がある。3・6協定を結ばずに、使用者が労働者をして時間外労働をさせ、休日労働をさせると処罰される。
産業別組合
同一産業の労働者を職種または企業に関わりなく1つの組合に組織した労働組合(Industrial Union)で、海員組合もそのひとつである。産業別組合が単1の統一体として組織されている場合、産業別単1組合(単産)という。

Jカード
本組合が組織近海FOCに、独自に発行する証明書で、本組合が認める協約を乗組員に適用していることを証明するものである。近海FOCに適用される労働協約はITF承認協約を若干下回るが、近海マーケットの実情からやむを得ないものとして、Jカード保有船は日本でのFOCキャンペーンの対象外としている。
ジェットフォイル
ガスタービンエンジン駆動のウォータージェット推進機により、海水を船尾からジェット流として高圧噴射し、水中翼の揚力で船体を完全に海面上に持ち上げて、約45ノット(時速83キロ)という超高速で航走する全没翼型水中翼船。米国ボーイング社で開発された。波高3・5メートルでも航行可能で、水中翼のフラップを精密に駆動することにより、船体の姿勢や動揺を制御しており、ほとんど揺れることがないので船酔いのない快適な乗り心地をもたらす。
職員
船舶職員法では、船長、航海士、機関長、機関士、通信長、通信士のことをいう。戦前は高級船員、士官などとも呼ばれていた。運輸大臣が行う海技従事者国家試験に合格し、海技免状を取得した者でなければ、職員になることはできない。
自家用船舶
内航海運業法では、内航海運業の用に供する船舶以外の船舶で、100総トン数または長さ30メートル以上のものを内航運送の用に供しようとする者は、あらかじめ運輸大臣に届け出なければならないとされている。このように内航海運業でなく運送する船舶を自家用船舶という。自家用船舶の認定基準としては、届け出船舶が自己所有船舶であること、自己雇用船員を有すること、届け出船舶による運送が他人の需要に応じるものでないことなどがある。共有船舶は自己所有船舶とはしない。荷主が所有する船舶を貸渡し、再用船して自家貨物輸送をする場合、貸渡す段階で貸渡業の対象となり、自家用船舶とは言えない。自家用船舶として届け出した後に営業行為を行う場合は、内航海運業の許可を受けなければならない。
資源管理型漁業
水産資源は鉱物資源などと違って、自ら増殖し、種の存続を維持しようとする復元力をもっている。このため、漁獲量がこの復元力に影響を及ぼさない範囲内であれば、資源を減少させずに持続的な漁獲が可能である。このように、資源の維持・増大を図りながら、最大の経済的利益を実現する漁業のことを資源管理型漁業という。水産庁は1990年に海洋水産資源開発促進法を一部改正し、91年に「資源管理型漁業推進総合対策事業実施要領」を定め、全国を7ブロックに分けてブロック協議会を設置するとともに、各県ごとに資源管理型漁業推進協議会を設置し、これの普及に力を入れている。
次世代育成支援対策推進法
日本における急速な少子化の進行等を踏まえ、時代の社会を担う子供が健やかに生まれ、かつ育成される環境の整備(仕事と子育ての両立を図るために必要な雇用環境の整備や子育てをしていない労働者を含めた多様な労働条件の整備)を図ることを目的に2003年7月に公布された。
 同法の規定では、301人以上の労働者を雇用する事業主は、2005年3月31日までに一般事業主計画を策定し、4月1日以降速やかに都道府県労働局へ計画を策定した旨を届け出なければならない。
 また、300人以下の中小企業の計画策定は努力義務となっている。
次世代内航船
海上輸送の新生を目指し、国土交通省が平成13年度より研究開発を開始されている次世代内航船(スーパーエコシップ)は、ガスタービン対応型新船および電気推進式二重反転ポッドプロペラを用いた画期的な新型船。
 従来の内航船と比べ、CO2が4分の3、NOXが10分の1、SOXが5分の2と環境負担が低く、さらに約20%の貨物の増加および10%の総合効率の向上が可能である。
 また、騒音が100分の1、船上メンテナンスがフリー、真横移動可能で離着桟が容易などの船内労働環境・操船性に関し大幅な改善が期待されている。
持続的漁業を行うための漁業管理(TAC)制度
TACは Total Allowable Catch の略称で、国連海洋法条約で定められた沿岸200カイリの排他的経済水域内の水産資源量を科学的に測定し、その資源を減少させないことを前提に設定した漁獲量のこと。わが国では「海洋生物資源の保存および管理に関する法律」を制定し、サンマ、スケトウダラ、マアジ、マイワシ、サバ類、ズワイガニの6魚種について漁獲可能量を定め、1997年1月1日から実施している。
地付船
特定、不特定を問わず複数港を営業・運航のエリアとする船を広域船といっているが、これに対し、特定の港もしくは地域を営業・運航の拠点とし、主としてその地域に居住する労働者(船員)によって運航がなされる通船、港運船、平水タンカーなどを『地付船』といっている。
実験に関する専門委員会
船員制度近代化委員会の下で、実験に関する事項を専門的に検討する機関で、船員制度近代化検討委員会と同様の委員構成となっている。
実用船
船員制度近代化委員会の下で実施された総合実験および実証実験により、成果としての就労体制の各種船舶への適用妥当性の確認が行われた後、同委員会の傘の下を離れ、広く実用に移すことになった船舶を言う。実用船は労働協約について、在来船と区別され、近代化実用船労働協約が適用される。職員法上は、第1種~第4種近代化船が実用化され、また労働協約上は、A・B・C・P・混乗近代化船が実用化されている。
指定漁業許可
漁業法第52条では、主要な漁業(沖合底曳網、以西底曳網、遠洋底曳網、北洋延縄・刺網、大中型まき網、遠洋カツオ・マグロ、近海カツオ・マグロ漁業など)を指定漁業と呼び、これらの漁業を営むにあたっては、農林水産大臣の許可を必要としている。許可の有効機関は原則として5年間であり、許可更新(漁業許可の見直し)は漁業種ごとに一斉に行われるため、一斉更新と呼ばれる。指定漁業許可は、漁業関係法令や労働関係法令を遵守する精神を著しく欠く者に対しては、許可されない。なお、指定漁業以外の漁業を営む場合も漁業法の定めに従って、都道府県知事の許可・承認もしくは届出が必要とされる。
シナジー
経営戦略で事業や経営資源を適切に結合することによって生まれる相乗効果
支配FOCに対する優先交渉権
1998年のITFデリー大会において採択された、キャンペーン文書「オスロからデリーへ」には、組合の交渉権について、次のように明記されている。 「受益船主国に存在する労働組合は、その国において実質的に所有される船舶を保証する労働協約を締結する権利を有する。(中略)FPC(公正慣行委員会)は、実効ある支配の存在(場所)や交渉権に係るいかなる苦情申し立てについて、最終的調停機関となる。」
 さらに、受益船主国(企業)が明確ではない場合、実効上船舶を支配している国の労働組合が交渉権を有するとしている。
社会的規制緩和
社会的規制は、例えば消費者や労働者の保護、安全・衛生・健康の確保、環境の保全、災害の防止等を目的として、商品・サービスの質や労働などの各種の活動に最低限に基準を設けたり、制限を加えたりする規制である。労働関係法や各種の安全に対する法律が該当する。最近は社会経済情勢の変化や技術革新の進展等を理由に、経済的規制の緩和にとどまらず、これらの社会的規制の緩和を求める経営側の圧力が高まっている。
就業規則
使用者が賃金、労働時間その他の労働条件に関する事項、経営秩序、職場内での規律保持に関する事項などについて定めたもの。常時10人以上の労働者を使用する使用者は、必ず就業規則を作成しなければならず、作成した就業規則は労働基準監督署に届け出、常時各作業場の見やすい場所に掲示し、労働者に周知させることとなっている。
集団的自衛権
集団的自衛権とは、個別的自衛権と並んで国連憲章で国家の固有の権利として認められている自衛権の概念の1つで、「自国と連帯関係にある他の国家が攻撃を受けた場合に、その国にかかわる自己の重大利益の侵害を理由として、自らは武力攻撃を受けていないにもかかわらず反撃を加える権利」と一般的に解されている。
 日本国政府は、わが国は集団的自衛権を有しているが、集団的自衛権の行使は憲法が認めている自衛権の範囲を越えるものなので許されていない、という立場をとっている。政府が集団的自衛権の行使を違憲であるとする理由は、集団的自衛権の行使は個別的自衛権が認める「必要最小限度の範囲」を超える「戦力」によって行われるものであり、「戦力」の保有は憲法で保持しないとされているからという論理にもとづいている。しかし、97年9月に公表された日米の新防衛協力指針では、日本の防衛という限定された目的を中心とする日米安全保障体制から、わが国による集団的自衛権の行使を実質的に肯定する安全保障体制への拡張が図られている。
需給調整規制
海上運送法第4条(免許基準)第1項「当該事項の開始によって当該航路に係わる全供給輸送力が全輸送需要に対し著しく供給過剰にならないこと。」によって規制されてきた。しかし、運輸省は従来の運輸行政の転換を行い、その根幹をなす、需給調整を原則として目標期限を定めて廃止するとした。このうち、国内旅客船事業に係わる需給調整規制については「生活航路に維持方策等を確立した上で、遅くても平成13年までに廃止する」こととされている。一方、これまで参入規制と価格規制によって確保されてきた事業秩序等に大きな影響を与えることとなり、結果として生活航路維持、安全確保、消費者保護、中小企業の経営安定、雇用の確保等に諸問題が生じることが予想されている。現在、この問題に対して輸送政策審議会海上交通部会旅客船小委員会にて協議が行われている。
需給調整規制の廃止
旅客船事業等公共輸送にかかわる事業について、航路開設、事業計画変更、運賃・料金の設定・変更などが許認可の対象となっていた。その用件として、需給調整、安全性、利用者利便の整合性、事業遂行能力などの観点が問題とされた。
 しかし、規制緩和の一環として、市場原理と自己責任原則の下で自由競争を促進し、効率化・活性化を図るため、国土交通省は運輸行政政策を大転換し、根幹をなしてきた需給調整を廃止し、参入の自由化、運賃制度の見直しが行われ、路線バス事業の需給調整規制が廃止され、全ての旅客輸送にかかわる参入は原則自由化された。その結果、新規参入や過度の値引きが激しくなり、旅客船業者は厳しい競争下に置かれている。
巡回配乗制度
混乗船において、外国人船員の指導やメンテナンスを中心として、一定期間部員が配乗される制度で、特定の船に定員として組み入れられることなく巡回することから、巡回配乗制度と呼称されている。
ジョイント・ベンチャー(J/V)
発展途上国の企業と先進国の企業とが共同で出資して経営する国際(外資)合弁事業を指してこのようにいう場合が多い。いわゆる漁業合弁事業は発展途上国の漁業発展に貢献し、資源の長期安定的確保や低廉労働力などの面からわが国の水産物調達方式として奨励され、東南アジアにおけるエビ合弁をはじめとして1960年代にはかなりの盛況を呈した。しかし近年は合弁企業の締め出しや自国化政策が進み、必ずしも有効な方式とはなっていない。なお、1981年以降開発されたもので、北太平洋上で操業している水産大手などの漁船が米国200カイリ水域に入漁する目的で、米国漁船が漁獲したスケトウダラなどを洋上で買い付ける輸入方式(洋上買付け)をとくにJ/Vと呼んできた。
小選挙区比例代表並立制
1つの選挙区から1人を選ぶ小選挙区制(300議席)と、全国11ブロックの選挙区ごとに政党の得票数に応じ議席を配分する比例代表制(200議席)の2つの選挙で議員を選ぶ方法とを並立して行うこと。衆議院議員選挙は小選挙区比例代表並立制で行われている。
常用雇用型船員派遣制度
船員職業安定法の一部改正により、2005年4月以降、船員派遣事業(船員派遣を業として行うこと)を行う場合、国土交通省の審査および船員中央労働委員会での意見聴取等の手続きを経て、国土交通大臣の許可を受けることが必要となった。この場合に派遣される船員は派遣元事業主が常時雇用する船員であることが必要なため、この船員派遣事業の許可制を「常用雇用型船員派遣制度」という。
許可を受けた派遣元事業主以外は、船員派遣事業を行ってはならず、また、許可を受けた事業主以外から派遣を受けてはならない。派遣元事業主および派遣先事業主については、今回の改正により、講ずべき措置等が定められており、それぞれに義務が課せられている。
職業別(職能別)組合・職種別組合
同一職業の労働者の組合を職業別組合(Trade Union)または職能別組合という。また、職種ごとに一定の資格をもつ熟練工の組織する職種別組合(Craft Union)は最も古い組織である。
職場委員(制度)
職場委員は、所属する会社の事情の許す範囲内で配置し、「会社の仕事をするかたわら苦情の処理を行う」ことを主たる任務とすることが労働協約で定められている。各企業または企業群ごとに定員を定め、管轄支部機関からの申請にもとづき、中央執行委員会の議を経て、原則として全国委員の中から選任される。組合規約では、管轄支部機関の指導監督のもとに、その企業に所属する組合員のため労働協約の履行を監視し、組合員の苦情処理にあたることを職場委員の任務・権限として定めている。
新外航海運政策検討会
外航海運を取り巻く状況の変化をふまえ、国土交通省海事局はこれからの外航海運政策のあり方を検討すべく、学識経験者等の有識者を中心とした「新外航海運政策検討会」を今年3月に設置し、4回の協議の後6月に「今後の外航海運政策」のとりまとめを行った。井出本組合長と鈴木船協会長も委員として参画した。
 検討会では、(1)外航海運の現状、(2)外航海運政策の基本的な考え方、(3)安定輸送の確保、(4)外航海運発展のための環境整備、(5)安全・環境・保安対策の推進等をテーマに議論が展開された。
 組合は、委員である組合長をはじめとする外航海運政策プロジェクトチーム会議において、FOCの日本国旗掲揚船問題を含め提起された課題について議論し検討会に臨んできた。検討会を通じて組合が主張したことは、第一義的には現行の国際船舶制度の充実を図ること、また、日本人船員の確保・育成が急務であり、そのために国としての諸施策が展開されることを強く求めたことである。
深海底
排他的経済水域および大陸棚より外側の沿岸国の管轄外の海底およびその地下。
新休日・休暇制度
組合が1994年の外航労働協約改定時に要求した、新しい休日・休暇制度のことで、年間総労働時間1800時間達成に向け、①年間陸上休暇120日、②割増賃率の改定、③連続乗船期間を6カ月とする…などを骨子としている。この年の交渉では決着せず、休日・休暇協議会を設置し労使間で協議することとなった。
新港湾労働体制
新港湾労働体制とは、社団法人・日本港運協会(日港協)と全国港湾労働組合協議会(全国港湾)並びに全日本港湾運輸労働組合同盟(港運同盟)との間で1991年(平成三年)五月九日付で締結した協定事項である。①労働時間は拘束八時間・実働7時間制、②労働日は月曜から金曜までとし、土曜日・日曜日を休日とする週休2日制の確立および③完全月給制の確立といった労働条件の達成を意味している。94中央港湾春闘では、週休2日制に関し、1歩前進が見られ、94年度から97年度までの4年間、毎年土曜日を3日ずつ休暇とし、最終年度12日を休暇とすることを確認した。なお、この12日の休暇については、経済状況の改善をまって、順次休日に変えて行くことと、休日化された場合は、変更3日の休日に対し、1日の割合で夏期休暇を削除することになっている。
新コンソーシアム体制
コンソーシアムとは、コンテナ定期航路において、コンテナターミナルの整備等に多額の設備投資が必要であり、また、多頻度の定期的輸送サービスを提供するためには、多数のコンテナ船が必要になることから、複数船社がそれぞれの配船スペースを相互に交換するため、コンソーシアム(企業連合)を形成することが一般的となっていた。しかし、96年以降、従来のコンソーシアムから再編が行われ、その特徴は、異なる地域の有力船社が世界的規模で提携し、重点をアジア市場に置いていることである。また、契約内容が多岐にわたっているなどがあげられる。
新自由主義(neoliberalism:ネオリベラリズム)
政府の過度な民間介入を批判し、政府機能の縮小(小さな政府)と大幅な規制緩和、市場原理を重視する考え。
 第2次世界大戦後、1970年頃まで先進諸国は社会保障の拡充、公共事業による景気の調整、主要産業の国有化などを推進し、国家が経済に積極的に介入すべきであるとの考えが主流であった。(この考えを「リベラリズム」といい、ネオリベラリズムに対して大きな政府、福祉国家といった言い方もされる)
 70年代には、英国における慢性的な不況による財政赤字の拡大、米国では失業率が増大した。その原因は、国家による経済への恣意的な介入と政府の肥大化にあるとされた。
 このような状況を受け、80年代に新自由主義が登場する。英国でのサッチャー政権(サッチャーリズム)、米国のレーガン政権(レーガノミクス)は、その代表的なもので新たな経済政策(国営企業の民営化、社会保障制度の見直し、規制緩和、減税等)を展開した。日本においては、中曽根政権が誕生し、電話、鉄道などの民営化が行われた。
 なお、小泉政権も新自由主義政策を行ったといえる。
新賃金基本政策
賃金政策委員会は、第50回定期全国大会(1989年)決定にもとづいて、翌90年6月から審議を再開して賃金指標などについての検討を重ねた。委員会は1992年7月に考え方をまとめて答申を行い、中央執行委員会は同年8月7日の第26回中央執行委員会において新賃金基本政策「今後の産別賃金政策のあり方について」を承認、第53回定期全国大会(1992年)で大会承認された。新賃金基本政策は、1982年総合賃金基本政策策定以降の諸情勢の変化の中で、今後取り組むべき重点課題と取り組み基本論および賃金管理指標の技術的改善等を明らかにしたものである。重点課題としては、船員賃金の水準・体系のあるべき目標、特殊性評価の改善、時短の推進、および船内労働・生活環境の改善等を挙げている。
新離島振興法
1953年(昭和28年)に制定された離島振興法を改正した法律で、1993年(平成5年)4月1日に施行された。この改正で、離島振興法を10年間延長するとともに、従来のハード事業中心の法律を新たな観点から、税制の優遇措置や総合交通の確保、教育の充実、地域文化の振興等ソフト部門に関し配慮したものとなった。

水産基本計画
水産基本法に基づき、政府が今後10年程度を見通して定める施策推進の中期的な指針である。
1、基本的な方針
 「水産物の安定供給の確保」および「水産業の健全な発展」という水産基本法に掲げる2つの理念の実現を図るための施策展開の基本的な方針を記載。
2、自給率の目標
 漁業生産の面および水産物消費の面において、関係者が取り組むべき具体的な課題を明らかにした上で、これらの課題が解決された場合に実現可能な漁業生産量および消費量の水準を、それぞれ「持続的生産目標」と「望ましい水産物消費の姿」として明示。これらをふまえ、10年度の平成24年における「水産物の自給率目標」を設定。
3、合的かつ計画的に構ずべき施策
 施策についての基本的方針に従い、水産物の自給率目標の達成に向けて、各般の施策を展開。
(1)水産物の安定供給の確保に関する施策
 水産物の安全性の確保および品質の改善、水産資源の適切な保存管理、水産動植物の増養殖の推進、水産動植物の生育環境の保全改善、海外漁場の維持開発など。
(2)水産業の健全な発展に関する施策
 効率的かつ安定的な漁業経営の育成、漁場の利用の合理化の促進、水産加工・流通業の健全な発展、水産業の基盤の整備、漁村の総合的な振興、都市漁村交流、多面的機能に関する施策の充実など。
(3)団体の再編整備に関する施策
 漁業協同組合の合併による再編整備の推進など。
水産基本政策検討会
1995年9月に水産政策基本検討会が設置され、漁業経営、水産流通、加工・消費、漁業共同組合、漁業地域振興などの課題を明らかにしたうえで、わが国水産業の発展と引き続き検討すべき事項について、1年間の検討をふまえて報告書がまとめられた。この報告書にもとづき、水産基本政策検討会が設置され、96年9月に第1回検討会が開催されて以来、97年9月開催の第11回検討会までの間、漁業基本法の制定を含めたわが国水産業のあるべき姿、将来ビジョンの策定に向けて毎月1回のペースで精力的に検討が行われ、97年9月には中間報告がまとめられた。検討会は98年8月まで続けられ、最終報告がまとめられた。水産基本政策検討会には小堀水産局長が参加している。
ストライキ(同盟罷業)
労働者(労働組合)が、要求貫徹のための圧力行動として使用者に対する労働の提供を拒否すること。
ストラドリング・ストック(Straddling Fish Stocksの略)
沿岸国の水域(200カイリ内)と公海にまたがって分布し、漁場が形成される水産資源のこと。1992年6月の国連環境開発会議で採択された地球環境保全計画(アジェンダ21)に基づいて、93年7月「ストラドリング・ストックおよび高度回遊性魚種に関する国連会議」でこの資源の管理と規制のあり方が国際的に注目され、カナダ、アルゼンチンなどは、タラ、メルルーサ、マグロなどのストラドリング・ストックを保護するため沿岸国に管理の優先権を付与すべきだと主張し、日本、米国、ECなどが公海生物資源管理の分割につながるとして、これに反対している。また環境保護団体もそれぞれの考えを主張している。
スピードリミッター
高速道路における大型トラックの制限速度の順守を徹底し、事故の防止をはかる目的で、時速90キロメーターになると運転手がアクセル操作を行っても加速できなくなるための装置で、平成15年から装着が義務付けられた。
すり身
ねり製品の主原料であるすり身は魚の落とし身をすりつぶし、保存や調整のため塩分・砂糖等が加えられ、多くは冷凍保管される。1960年代中頃から、それまで北洋で未利用資源といわれたスケトウダラのすり身化技術の開発・普及が進み、北洋底曳網漁業の隆盛とともに、すり身をねり製品加工業者に全国的に供給するすり身産業が発展することとなった。近年、欧米でも「カニカマ」などの普及により世界的にすり身需要が広まっている。
スーパーエコシップ
スーパーエコシップ(SES)は抵抗の少ない新型船型、電気推進システム等を採用することで、優れた環境性能と経済性を有する次世代の内航船舶であり、平成13年度から、技術開発を進めている。主要研究開発項目は、○電気推進式二重反転プロペラ型ポッド推進器、○スーパーマリンガスタービン(SMGT)を搭載したSES船型、○コンピューター援用設計(CAD)と計算流体力学(CFD)を活用した新しい船舶設計手法。
スーパー中枢港湾
スーパー中枢港湾は、近隣アジア主要港の近年の躍進によって相対的な地位が低下している我が国のコンテナ港湾の国際競争力を重点的に強化するため、中枢国際港湾などの中から国が指定し、実験的、先導的な施策の展開を官・民連携の下で行うことによりアジア主要港湾を凌ぐコスト・サービスの実現を図ることを目的としたもの。
スピードリミッター
車の速度が時速90キロメートルになった時、燃料供給を調整してそれ以上加速できなくなるもの。
 装着対象車両は、車両総重量8トン以上または最大積載量が5トン以上の大型トラックであって、平成15年9月以降登録される新車および平成6年排出ガス規制以降の排出ガス規制に適合する車両(経過措置により3カ年間で装着)。

生産性基準原理
日経連の主張する賃金決定の考え方。実質経済成長(実質GNP率)から就業者の増加率を差し引いた生産性の伸びの範囲内に賃上げ率を抑えることにより、物価上昇を防ぐことができるとしている。対象とする賃上げ率は名目の数値なので、経済成長より常に賃金は低くなる。
政治資金規正の改正
企業など団体献金の制度を強化し政治資金の透明度を高めるための法。企業など団体献金は、政党・政治資金団体、資金管理団体(政治家1人につき1団体)以外に対しては一切禁止されている。政治家個人への寄付は、金銭などによるものは原則としてできない。寄付金が年間5万円を越えると公開を義務づけられ、連座制の対象範囲の拡大、公民権の停止、罰金額の引上など、違反への制裁が強化された。
政党助成法
政党へ国からの助成を行うという法律。政党交付金の使途に関しては、政党から報告書が提出され公開される。
世界自然保護基金(WWF)
世界最大の自然保護団体(世界野生生物基金、1961年創立)が86年に名称を変更したもので、運動としては個々の種よりも、生態系や環境ぐるみの保護に力を注ぐようになった。これまでの大きな事業には、トラ作戦、ジャイアントパンダWWF・中国共同プロジェクト、熱帯林、ウエットランド・キャンペーンなどがあり、89年3月からは5年計画で「生物の多様性」のキャンペーンを行っている。会員は約470万人(うち日本は2万8000人)。
接続水域
海岸基線から24カイリを越えない範囲で設定することができる領海の接続水域。
船員制度近代化委員会
1979年4月、船員制度近代化調査委員会を発展的に改組し、船員制度近代化推進のための実験船による実験に関する実験計画の策定、実験結果の分析・評価などを行うための機関として設けられた運輸省海上技術安全局長の私的諮問機関で、労使および学識経験者による委員と幹事(官)で構成されている。下部組織として①「実験に関する専門委員会」②「船員制度に関する専門委員会」③「ビジョン検討委員会」がある。
船員制度近代化協議会
新船員制度確立のための船員制度近代化事業の円滑な推進に資することを目的として、労使が1979年4月に設立した組織。船員制度近代化委員会における実験実施上の事務局としての事業を主に行っており、実験実施に関する具体的検討および調査を行っている。
船員制度に関する専門委員会
船員制度近代化委員会の下で、実験実施の経過に対応して、専門的に制度上の問題点を検討する機関で、船員制度近代化委員会と同様の委員構成となっている。
船員政策協議会
船舶における急速な技術革新の進展に対応する船員全体の合理的な職務・就労体制、教育・訓練および雇用の安定などの諸問題を総合的に検討するため、海員組合と外航2船主団体が1973年9月に設置した協議会。また、日本海運の発展と船員の雇用安定を図るため、長期的・計画的な政策などについて、専門的協議検討をおこなうため①常任委員会②海運対策部会③雇用対策委員会④技術革新対策部会を1976年6月に設置した。
船員・船籍問題労使協議会
日本船主協会が構想していた第2船籍制度に関連して、「日本人船員配乗要件(船長・機関長2人乗船)の改廃や海技者の確保・育成について早急に労使で検討したい」と同協会から労使協議の申し入れがあり、「船員・船籍問題労使協議会」が設置され、第1回を2005年3月31日に開催した。同4月6日、本組合は条件付であれば労使共同で取り組むことを検討する考えを文書で回答。同4月19日に第2回を開催し、双方の主張を意見交換した。
 その後、同協議会作業委員会を経て、同6月13日の第3回協議会において、日本籍外航船舶の拡大、外航日本人船員(海技者)の確保・育成のため、(1)新規に登録される日本籍外航船舶について、現行国際船舶に適用される船・機長配乗要件の撤廃を国土交通省に申し入れる。(2)外航日本人船員(海技者)の確保・育成のため、他の海事産業関連団体とも共同し実効ある新たな制度づくりに取り組む。(3)「船員特別税制」や「海に関する理念法(基本法)」、「トン数標準税制」についても共同して取り組むことに合意(6・13合意)した。
 これらの合意に基づき、同7月26日に第4回協議会を開催し、翌27日、鈴木船協会長と井出本組合長は、国土交通省矢部海事局長を訪ね、船・機長配乗要件「通達」の見直し等に関する共同申し入れ文書を手渡した。
 今後も協議会および作業委員会を開催し、「外航日本人船員(海技者)の確保・育成」について協議を重ねていく。
船員・船籍問題労使協議会と『外航日本人船員(海技者)確保・育成に資するための施策「骨子」』の作成
「国際船舶における船・機長配乗要件の改廃や日本人船員(海技者)の確保・育成について労使で検討したい」との日本船主協会からの協議の申し入れにより設置され、昨年3月31日に第1回労使協議会が開催された。
 6月13日の第3回協議会において、日本籍外航船舶の拡大、外航日本人船員(海技者)の確保・育成のため、(1)新規に登録される日本籍外航船舶に適用される船・機長配乗要件の撤廃を国土交通省に申し入れる。(2)外航日本人船員(海技者)の確保・育成のため、他の海事産業関連団体とも共同し実効ある新たな制度づくりに取り組む。(3)「船員特別税制」や「海に関する理念法(基本法)」、「トン数標準税制」についても共同して取り組むことに合意(6・13合意)した。
 昨年9月、労使共同申し入れにもとづき、「船・機長配乗要件見直し検討会」が官公労使4者構成でスタート、今年4月に報告書をとりまとめた。一方、日本人船員確保・育成策の検討も労使協議会の下に設置された作業委員会で開始された。この間、第4回~第6回協議会を開催。今年5月23日の第7回協議会(5月23日)において、作業委員会がとりまとめた『外航日本人船員(海技者)確保・育成に資するための施策「骨子」』が承認合意され、6月8日の第8回協議会で最終確認が行われた。6月12日、井出本組合長と鈴木船協会長は、共同で施策「骨子」に関する国土交通大臣あての申し入れを行い、新スキーム実現のための指導と支援を要請した。
船員特別税制
外航海運政策上、日本人船員を確保するため税制上の優遇措置を設けるもので、船員所得税の免除・軽減を目的とする。そのほか外航部門では、社会保障費用の減免なども労使共同して取り組むこととしている。
 例えば、英国やドイツでは、船員が年間183日以上乗船していた場合には、所得税の免除や軽減が行われている。
船・機長配乗用件「通達」
平成11年に船舶職員法が改正され、今日、多くの外国人承認船員が日本籍国際船舶において、船長・機関長を除く船舶職員として乗船している。
 これらの外国人承認船員は、船舶職員法第23条の2の規定に基づき、STCW条約の締約国が発給した条約に適合する資格証明書を受有し、国土交通大臣の承認を受けて日本籍外航船舶職員となることができる。しかし、外国人承認船員に対する国土交通省通達に「就業範囲」が定められ、その中で「船長又は機関長の職務については就業範囲として指定しない」としていることから、日本籍外航船舶の船・機長は、日本人でなければならない。
船員優遇税制への取組み
組合は政府に対する申し入れ、あるいは海運造船合理化審議会など審議の場を通じて船員優遇税制の実現を訴え続け、1992年(平成4年)9月からは運輸省船員部を事務局として日本船主協会および大日本水産会と勉強会をもって、一層の前進をはかるべく努力を重ねている。優遇税制の具現化に向けた主たるアプローチとして、①非課税とされる在外手当、②航海日当、③外航船員の必要経費控除、④企業への船員費助成をこれまで検討してきた。諸外国の船員助成策には、船員税制のみならず社会保険料の控除によるものもあり、税制に限定することなく総合的に検討してゆくことが必要である。
船員労働委員会
船員労働委員会は労働組合法、労働関係調整法、最低賃金法等のほか船員法などの船員労働関係法上に基づいた判定・調整・諮問機関としての権限を持っており、中央の船員中央労働委員会、および11の船員地方労働委員会から成る。各船員労働委員会は公・労・使からの委員および事務局で構成されており、中央は各側7名の計21名、地方は各側5名計15名の委員構成となっている。一般的な業務運営は公労使3者委員で構成される総会によって行われ、判定的権限に属する労働組合の審査、不当労働行為の審査等は、公益委員だけによって構成される公益委員会が取り扱う。また、争議調整である斡旋、調停、仲裁は、それぞれ斡旋員、調停委員会、仲裁委員会によって行われている。
船経協
毎年の春闘で専業労使の統一交渉が行われるが、労働組合側の港荷労協(船内荷役事業関係労働組合協議会)に対し、使用者側の地位にあるのが、日本港運協会傘下の船経協(船内部会経営者協議会)である。『船経協』の構成メンバー(1993年3月現在)は東京12社・横浜10社・川崎3社・大阪1社・神戸16社であり、港湾運送事業者42社で構成されている。
全国海運組合連合会
全海運と称され、5つの組合のなかで最も古い歴史をもっている。主として地方の、いわゆる船どころの貸渡業者、運送業者、運送取扱業者が、共同組合的な性格をもって発足した全国各地区の海運組合および地区海運組合連合会の連合体である。構造改善の一環として、全海運傘下の地区海運組合の統廃合が進んでいる。1994年現在、3785社、3641隻、149万3650総トンで構成。
全国海友婦人会
全国海友婦人会は、船員家族、遺家族、船員であった者の家族および海事産業に従事する者とその家族によって構成された婦人団体である。1922年(大正11年)11月11日に海友婦人会として発会し1957年(昭和32年)8月5日に全国海友婦人会として改組統一された。本会の目的は船員の留守家族および遺家族の親睦、相互扶助、福利厚生を図ることとし、海員の親睦、修養、慰安、身の上相談、船員の向上育成、海事思想の普及などの事業を行っている。海員組合関西地方支部に本部を置き、正副会長、常任役員、会計監査、事務局からなっており、また、地方支部は全国を3地区12ブロックに分けた構成となっている。本会の定期大会は定期全国大会と定期地方大会の形をとり、年度ごとに交互に開催し、この大会で決定された活動方針に沿って諸活動を展開している。
全国港湾(全国港湾労働組合協議会の略)
全国港湾は、全港湾・日港労連・全倉運・全海運・検数労連・大港労組・検定労連の7組合で構成されている全国組織であり、1972年11月に発足した。役員体制は、議長1名、副議長4名、幹事248名、事務局長1名、事務局次長1名、会計監査2名であり、組織員数は43673名(平成9年5月全国主要労働組合名簿による)である。全国港湾は、社団法人日本港運協会との交渉・協定・確認書・覚書などの締結当事者である。
全国内航タンカー海運組合
内航タンカーの運送業者と貸渡業者および取扱業者で結成されており、タンカー関係業者だけの組合で、内タンまたはタンカー組合と称される。近代化船の建久に取り組み、内航船員不足問題を考える懇談会のタンカー問題小委員会でも活動を進めている。1994年現在、1260社、1924隻、1166013総トンで構成。
全国内航輸送海運組合
内航輸送または全内輸と称され、内航専業の中型運送業者を中心に結成され、小型鋼船による輸送で飛躍してきた歴史をもつ。大手鉄鋼荷主系列の運送業者のほとんどが加盟しており、大型組合、全海連と重複加盟している運送業者もある。1994年現在、188社、729隻、629239総トンで構成。
船長の組合加入
外航関係の労働協約では、船長はユニオン・ショップ制の適用が除外され、船長昇進時に脱退する事が一般化しつつあり、船長で組合員の者はわずかな状況となっている。しかし、外航分野は混乗船が主流となり配乗形態が大きく変化したことや、実質的に労働協約で保証されている面を踏まえ、第49年度活動方針で船長も組合に加入するよう、呼びかけている。
船特法(船員の雇用の促進に関する特別措置法)
離職船員が増えている状況を鑑み、雇用促進措置を講ずることによって、船員の職業および生活の安定を図ることを目的として1977年(昭和52年)に制定された。求職活動の促進・生活安定のため、あるいは知識・技能を習得するために支給される就職促進給付金に関すること、船員雇用促進センターの事業に関することなどが規定されている。就職促進給付金については、特定不況業法の規定に基づく給付金支給の例に準じた特別措置を講ずることが定められている。近海海運業は、船特法省令(就職促進給付金の臨時特例に関する省令)によって、1995年(平成7年)6月30日までの時限で特定不況海上企業として指定されている。
船内委員会
船内の組合活動について、執行業務を処理する船内機関で、船内役員で構成され、船内委員長が必要と認めたとき招集し、船内会議が開かれる。
全日本内航船主海運組合
船主組合または全内船と称され、内航船舶貸渡業者と運送業者で貸渡業の資格を有する者で構成している。すなわち内航船舶貸渡業者の組合で全国各地に支部を置く。比較的に大型船を所有する大都市在住の業者が多い。1994年現在、825社、1153隻、897848総トンで構成。
船舶職員法第20条特例措置
船舶職員法では、船の用途、航行区域、大きさ、推進機関出力などによって、船舶に乗り組ますべき船舶職員(海技免状受有者)の「乗組み基準」を定めているが、その基準によらなくても航行の安全が確保できると認められる船舶については、第20条で乗組み基準の特例を許可している。 漁船関係では、1993年(平成5年)4月29日までの経過措置として国際トン数特例措置と基地漁業特例措置が認められていたが、その後は、労使で構成する安全管理委員会の審査に合格した漁船に対し、向こう3年間(平成8年4月29日まで)の国際トン数特例措置と、当分の間の基地漁業特例措置が認められている。
船舶整備公団
離島や本土沿岸の各地を連絡している国内旅行船および内航貨物船の建造資金を国内海運事業者に対して長期かつ低利で提供し、あわせて技術援助を行うことにより、船舶の近代化・合理化を促進するため、政府出資により設立された特殊法人。  船舶を建造する際、この公団と事業者が費用を分担し、竣工後はこの船舶を事業者との共有船とするという方式を取ることにより、公団分担分の費用については担保が必要でなくなるため、資金調達能力に乏しい事業者も船舶建造が可能となる。また建造時の技術援助も受けることができる。
船舶整備公団共有船
船舶整備公団は老齢不経済船舶の代替建造を促進し、船舶の近代化をはかるため、船主に資金・技術の両面から協力をする特殊法人である。政府資金により船主と共有方式で船舶を建造し、技術の開発・指導に努めている。
船腹量の調整
内航船舶は、輸送の需要に応じて建造されるが、需要の最も多い時点に見合った船腹量を確保する形で建造されると、設備投資や費用も大きい内航船では、不需要期のリスクが大きく過当競争を招き運賃市況が低落し、内航海運業の健全な発展を阻害する。そのため常に内航船腹量を調整する必要があることから、内航海運業法に適正船腹量および最高限度量の定めがあり、内航海運組合法に船舶の建造の際の自主調整行為をすることが認められている。内航海運組合法に基づき、日本内航海運組合総連合会が保有船腹調整事業として実施している建造調整は、スクラップ・アンド・ビルド方式によるもので、これは船舶の建造またはトン数の増加を伴う改造に対して、それに見合う引当船舶の解撤(海外売船、沈没も含まれる)を義務づけている。
全米熱帯マグロ類委員会(IATTC)
太平洋東部の赤道を中心とする海域のマグロ類資源、とくにキハダの資源管理を行っている国際機関である。1950年の「全米熱帯マグロ類委員会の設置に関するアメリカ合衆国とコスタリカ共和国との間の条約」に基づいて設置された。これまで9ケ国が加盟したが、200カイリ制度の影響などにより、エクアドル、メキシコ、コスタリカの中南米諸国(マグロ漁業における沿岸国)が脱退し、現在は米国、日本など5カ国となっている。

争議権
労働者が労働条件を維持・改善するため団結して使用者に対しストライキその他の争議行為を行う権利。憲法28条は「団体行動権」という表現でこれを保障している。労働組合法は、正当な争議行為について刑事上の責任を負わないものとし、組合または組合員に対する使用者の損害賠償の請求を禁じている。
総合ワーキンググループ
実験に関する専門委員会の下で、実験に関する事項について、具体的検討を行う作業グループで、官・公・労・使によって構成されている。
総実労働時間
総実労働時間は、所定内労働時間に時間外・休日労働時間を加え、年休などの諸休暇、欠勤、休業日数を差し引いたもの。欧州は1600時間前後だが、日本は約400時間長い。日本の長時間理労働批判が国際的に高まったため、政府は1992年に1800時間を公約したが実現できず、96年まで引き伸ばした。
装置産業
装置産業とは、設備投資による機械化・設備の増強により、省力化・合理化が可能な産業である。典型的な例が、鉄鋼・石油化学コンビナートなどであり、膨大な設備投資を基盤に成り立っている。別名、労働集約産業に対峙する資本集約産業として捉えられている。 港湾産業分野でも、近年、装置産業化への転換の表れとして、コンピュータ遠隔制御装置により、品物の出し入れを自動的に行う立体自動倉庫、コンテナターミナルにおけるガントリクレーン・ストラドルキャリアなどの特殊大型搬送機械の装備・コントロールセンターによるオペレーションおよび総合輸入ターミナルにおける高能率な荷捌き・高品質保持の保管・高度な流通加工などが行われている。また、サイロも増大している。港湾運送事業の変せんを見た場合、はしけ・水面貯木場が大幅に減少する一方、サイロ、大型荷役機械等の数が大幅に増加するなど港湾運送事業をめぐる環境の著しい変化が表れている。
組織内シンクタンク(MRM21)
シンクタンクとは米軍の「作戦を練る部屋」を意味する「think tank」という言葉が、研究機関を指すようになったと言われている。一般にシンクタンクは頭脳集団と訳されており、広辞苑では「頭脳を資本として商売をする企業や研究所。多くの複合的な技術やシステム開発を業とし、政策や企業戦略の策定を行う」と定義されている。
 一口にシンクタンクと言っても、現在、その活動領域や機能は多様化しており、経済・産業分析、企業向けコンサルティング、官公庁からの調査研究、国際化や高齢化への対応、規制緩和に関する政策研究など、実に多岐にわたっている。
 ここでいう組織内シンクタンクは、海事再生委員会(海運業界の諸問題解決、海運企業の再生を目的とし理論構築、現実的な提言および実行のため外部から学識経験者、実務者を招聘し、今までにない新しいコンセプトの委員会)を指す。
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