用語解説

斡旋(あっせん)
労働争議の調整方法のひとつ。第3者が争議両当事者の間に入って争点をたしかめ、助言をして争議が当事者の妥協によって解決されるようにつとめること。労働関係調整法や公共企業体等労働関係調整法、地方公営企業労働関係法に基づき地労委・中労委ないし船地労委・船中労委あるいは公労委の行う斡旋は、調停・仲裁のように委員会方式による調整方法ではない。また調停では調停案を、仲裁では仲裁裁定を必ず出さなければならぬのに、斡旋では斡旋案(この条件で争点にかたをつけてはどうかという案)を必ずしも作成・提示しなくてよい。なお、これらの法律では斡旋は調停に入る前段階のいわば初歩的な調整方法と考えられている。そのため当事者双方の申請がなくても労委は斡旋にのり出せることになっているが、実際には調停が不調に終わった場合に労委会長の職権斡旋が行われることが多い。
アンカーレイジ
吊橋に用いられるケーブルの端を固定する橋台のことで、橋の上では1本に束ねられていたケーブルがアンカーレイジ上部のスプレーサドルからストランド(素線数100本)ごとに分けられ、内部のアンカーフレームという鉄骨にそれぞれ固定される。アンカーレイジは、常時大きな水平力と上向きの力を受けており、通常鉛直方向の力に対して設計される一般の橋の橋台とは区別される。アンカーレイジは巨大なケーブル張力をすべて自重で固定し、またケーブルから受ける水平力は、基本的にはアンカーレイジ底面と岩盤との摩擦で抵抗するため、重量そのものが重大な要素となる。このため地質条件の悪いところでは、吊橋は敬遠されがちである。

Eルート
本州四国間を連絡する3ルートのうち、広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ、尾道・今治ルートの略称。1999年(平成11年)3月31日完成予定となっている。Eルートの区間距離は約59キロメートルで区間内の橋は尾道大橋、生口橋、多々良大橋、大三島橋、伯方・大島大橋、来島大橋。
E-1体制
機関室における機関の監視・点検等の機関当直要員を1名とする体制をいう。
以西底曳網漁業
東経128度30分以西の東シナ海、黄海(東海・黄海という)を漁場とする15トン以上の動力船による底曳網漁業をいう。2艘曳と一艘曳のトロールがある。明治末期にオッタートロールが英国から導入され、沿岸漁業者との摩擦が激しく、政府は内地沿岸をこの漁業の禁止区域としたが、さらに1929年、漁場を東経130度以西と定めたのが名の由来である。現在指定漁業となっている。近年は近隣諸国(特に中国、韓国)の漁船の大幅増により、資源の乱獲・枯渇をまねいている。そのためわが国の漁船数は大幅に減少している。
1杯船主
内航船舶貸渡業の許可基準の船舶所有義務は、内航2法制定前から、この基準に満たない船主が存在していたことから、その実態から見ると厳しい基準であるために、新規の許可の場合のみ適用することになっているので、例えば199総トン1隻だけを所有する船主が存在することになる。一般的にはこの1隻所有の船主のことを称している。
インターネット
コンピューターどうしを結びつけた通信ネットワークを、LAN(ローカル・エリア・ネットワークの略)というが、この世界中無数にある小規模のLANどうしを果てしなく接続した「ネットワークの大親分」がインターネットである。アメリカの軍事研究に端を発し、公共のネットワークとして発展してきたインターネットは、接続サービスを専門とする業者(プロバイダーと言う)の登場や接続のための簡便なソフトの発展で個人のパソコンでも簡単に接続できるようになると草の根ネット・商用ネットが参入し、日々、増殖を続けている。個人で楽しむ場合、機器と必要なソフト(ウインドウズ95などのOSソフトの場合、すでに組み込まれている)に電話回線をつなぎ、接続サービス会社と契約すればOK。世界の人々の文章だけでなく映像・音声を使って情報のやりとりができる。パソコン通信はネット会社のホストコンピューターに、ユーザーがパソコンを接続し、そこに情報を自ら書き込んで登録したり、登録されている情報を引き出したりする形態であり、直接ユーザーどうしのパソコンを接続するのではなく、ホストコンピューターの処理を必要とする点がインターネットと異なる。

「海の記念日」の国民の祝日化運動と「海の日」の制定
海員組合がこの祝日誕生にどの様にかかわってきたか、ぜひ紹介しておきたいと思います。7月20日は、1941年の閣議決定により「海の記念日」として海事関係団体が記念行事としてきた日でしたが、海洋国日本にあって「海の記念日」をぜひ『海の恩恵に感謝し海に働く人々を思い海を大切にする』国民の祝日にしようと、組織的活動を始めたのは、今から37年前の196〇年のことでした。活動を始めてみると、一民間団体が「国民の祝日をつくれ」と叫んでも、さっぱり相手にしてもらえない悲哀を何度も味わい、挫折を繰り返しました。これを乗り越え粘い強く活動を継続、その結果、1990年代に入ると、海員組合の提唱は勤労者の総労働時間短縮や週40時間制への動きとも連動し大きく広がりました。やがて、この祝日化運動は経済団体・地方自治体・「連合」と多くの国民の共感を呼ぶところまで盛り上がり、1994年末には個人署名で1040万人、全国地方自治体3300議会のうち72%の賛同意見書の採択をもって政府国会を動かす結果となりました。「海の日」はこうして誕生した、まさに前例のない「国民手作り」の祝日なのです。現在、「連合」などが中心となって、土曜日・日曜日の2連休に特定の国民の祝日を結び3連休を制度化しようと運動していますが、「海の日」もその候補にあがっており、これが実現すると「7月の第〇週の月曜日」が「海の日」というようになるかも。
海の幸に感謝する会
1993年5月に京都で開催された第45回国際捕鯨委員会の結果いかんでは、他の漁業にも大きな影響を与えるとの認識から、京都会議に向けてオール水産で取り組むこととし、「捕鯨を守る会」を中心に1992年9月8日、「IWC京都会議対策実行委員会」(別称、海の幸に感謝する会)を設置し、水産資源の有効利用の必要性について、ポスター、パンフレットの作成、日本縦断全国キャラバン隊による全国キャンペーンなどを行った。IWC京都会議終了後、京都会議で盛り上がったエネルギーを生かすため、引き続き「海洋生物資源の持続的利用」の正当性と必要性を内外に訴える活動を展開するため「海の幸に感謝する会」を存続させることとなった。「会則の第3条目的」には、「本会は、科学的根拠に基づく海洋生物資源の持続的利用の正当性と必要性を内外に強く訴える活動を行い、もってわが国漁業の存続と発展に寄与することを目的とする」となっており、会員は、大水、日鰹連、全漁連、海員組合など26団体で構成している。
運航委託契約
貸渡業者が運送業者に船舶の運航を全面的に委託し、受諾した運送業者は、収入から運航にかかる諸経費を差し引いた残額を貸渡業者に支払い、その際に委託手数料を取る。この契約は、定期用船とは異なり、貸渡業者の収入は一定ではなく、好況時など運賃が高く、稼働率が高いときは利益が上がるが、不況時には収入が下がり安定しないという面がある。
運輸施設整備事業団
船舶整備公団と鉄道整備基金が1997年10月1日付統合し発足した。業務内容は、船舶の共同建造や新幹線鉄道建設資金の交付等である。船舶の共同建造は、海運事業者と共同して旅客船、内航貨物船等を建造し、竣工後は共有船舶として事業者に本船を使用管理させ、建造費のうち事業団の共有部分の資金については、船舶所有者から船舶使用料として徴収している。

エアクッション双胴船
現在の高速双胴船の技術に基づき、さらなる高速化を実現するため、エアクッションを利用することにより船体の抵抗を減少させた船。双胴船の船首部と船尾部にゴム製のシールを設置し、船底部を密閉した上で、リフトファンエンジンにより圧縮空気を送り込んで船体を浮上させ、没水面積を少なくし、船体の抵抗を減少させる。ウォータージェットで推進することにより、航海速力60ノットという超高速が可能となる。
衛生管理者再講習制度
乗組員の健康管理、傷病の予防ならびに船内衛生の保持等を目的に、1962年8月13日付運輸省令「船舶に乗り組む医師および衛生管理者に関する省令」で定められた船舶には「衛生管理者」の配乗が義務付けられている。商船教育機関における講習を含め、100時間程度の講習を受けることにより「適任証」が交付され、衛生管理者として選任可能となる。さらに、最新の知識取得や技能の維持向上を目的に、適任証受有者に対して、臨床実習を中心とした140時間程度の講習を実施する制度を「再講習制度」と呼んでいる。現時点では、「主任衛生管理者」として、再講習修了者の特定航路就航船舶への配乗が義務付けられている。
A登録、B登録
離職登録組合員を船員職業安定法および職業安定法の適用対象者に2分し、その区分された登録組合員をその現状にもとづき、さらに区分をする。組合の職業紹介等の待機状態にある者をA登録組合員といい、現に就職中の者をB登録組合員という。さらにA・B登録に係わらず、登録組合員のうち中央執行委員会が指定する他の団体に求職登録する者を特例登録組合員(C登録組合員と略称する)という。
Aルート
本州四国間を連絡する3ルートのうち、神戸市垂水区と徳島県鳴門市を結ぶ神戸・鳴門ルートの略称。1998年(平成10年)3月31日完成予定となっている。Aルートの区間距離は約81キロメートルで区間内の橋は明石海峡大橋と鳴門大橋。
F資格
船員制度近代化委員会が定めた実験要員の要件の1つで、生活庶務チーム関連作業従事者に関する資格。船舶料理士資格証明書所有者で、実用英会話研修およびタイプライター研修を終了した者、もしくは同等以上の能力があると認められる者。
Mゼロ船
機関区域に船員が継続的に配置されない船舶(機関区域無人化船)をいう。
Mゼロとは、「Machinary Space 0(ゼロ) People」の略で、日本海事協会(NK)が機関区域無人化船に与える符号である。
エージェンシー・ショップ制
労働協約で組合が、非組合員について代理権を持ち、組合費相当の金額を納めさせる制度

黄犬契約
憲法28条は、労働者の基本的権利として、団結権(組合を結成すること)、団体交渉権、争議権を保障している。これは、労働者の意にそわない労働を排除するためのものであり、憲法を用いてこれを保障したということは、絶対にこれを侵してはならないという意味である。また、労働組合法7条では、労働組合員であること、組合の結成・加入または組合の正当な行為をしたことを理由に、差別待遇を与えたり、解雇したりすること、組合に加入しないことや、組合から脱退することなどを条件に労働者を雇い入れる契約を禁止することを規定している。内航海運業界では、長年にわたり船員に対して組合に加入したら退職してもらうなどの圧力がかけられてきた。船員不足が問題となり、待遇改善が叫ばれている現在においても、組合に加入すれば解雇するという条件付きで乗船している者も多く、文書で約束させられているケースもある。このように、組合に加入しないことや、組合から脱退することを条件にされる雇い入れ契約を黄犬契約という。黄犬契約が解消されない限り、内航船員対策は結実しないと言っても過言ではない。また、構造的船員不足の内航で、このような契約を求めるところには海運会社としての発展はないし、このような契約に甘んじている現場には労働条件の改善は望めない。
大型カーフェリー労務協会
加盟会社所属船員の労働条件等に関する事項について、全日本海員組合と労働協約を締結、かつ適正な労使関係を確立することを目的として設立された労務団体。1974年(昭和49年)まで、新たに設立されたフェリー会社やフェリーを持つ旅客船会社は海員組合と労使関係を結び、毎年集団交渉を行っていたが、この年の春闘のあと労務協会設立の気運が急激に高まり、同年9月に離島航路の旅客船会社を含む3社を加え、計29社の総意を持ってこの協会が設立された。1994年(平成6年)7月現在の加盟会社は30社(一欄21社・2欄9社)。
オープン・ショップ制
会社側がある労働者を雇おうとする場合に、その労働者がどの組合に加入しているかを直接に問題とはしないし、また会社に雇われた後にも、組合に加入するかどうか、どの組合に加入するのかを、まったくその労働者の自由な意思にまかせる方法。
オッターライン
農林水産大臣承認漁業の中に沖合底曳網漁業がある。沖合底曳網漁業の漁法として、オッター・トロール網方式と、かけまわし網方式の2通りがある。同一漁場周辺海域で漁法の異なった沖合底曳網漁船が競合することを回避するために、漁業者間協議を経て、行政的にオッター・トロール漁船の操業禁止水域を設定している。その操業禁止水域設定ラインをオッターラインと呼称している。
オブザーバー(Observer=監視者・立会人・傍聴人・第三者)
沿岸国200カイリ水域で操業する場合に、沿岸国政府機関から派遣される操業状況の監視員または立合員である。取締り権限を持たず操業水域、漁獲魚種、サイズ、漁獲量が適正に守られているかチェックする目的で乗船している。さらに海洋資源調査や漁法開発にあたって、調査データを収集する目的で乗船している調査員もオブザーバーと呼称する場合がある。
オリンピック方式
漁獲可能量が設定された特定海洋生物資源について、自由競争のもとで関係漁業者が漁獲することを認め、総漁獲量が漁獲可能に達した時点で対象魚種の漁獲を停止させる方式で、総割当方式ともいう。この方式で漁獲すると、過大な設備投資による経営の圧迫、過当競争に起因する海難事故の多発が懸念されることや、漁獲物の品質と魚価の下落、違反船の増加、ひいては漁期短縮による失業などの弊害が生じる恐れがある。この方式を採用している国は、日本のほか、フランス・オランダ・デンマーク・スペイン・スウェーデン・ペルー・アルゼンチンなどで、USAは一部魚種についてこの方式を採用している。
オルグ活動
オルグとは、オルガナイザー(組織者)の略語。未組織労働者の組織化のための活動をいう。
このページのTOPへ