用語解説

排他的経済水域・EEZ=Exclusive Economic Zoneの略
基線から200カイリを越えない範囲で設定することができる。沿岸国の一切の漁業および鉱物資源に対する管轄や海洋汚染規制の権限が認められる水域。
バンカーサーチャージ
燃料割増料金のことであり、燃油が高騰した場合は、計算式により導き出し、通常料金に付加する運賃である。
大型カーフェリーなどは、過去半年の燃油価格から計算しているので、燃油代に見合った料金が付加できるのは半年後、というタイムラグが生じている。

非居住特別組合員(制度)
海員組合と労働協約を締結した船舶に乗り組んでいる外国人船員(日本国内に居住しない船員)のことをいう。非居住特別組合員には、海員組合が締結する労働協約が適用され、組合の共済給付が受けられる。
ヒューマンインフラ
日本は、資源にも乏しく原材料を輸入し付加価値を付け輸出するという加工貿易で経済を発展させました。また、食料をはじめさまざまなものを輸入することで私たちの生活は豊かになっています。
この国際物資輸送は、四面を海に囲まれている日本においては、ほぼ100%が海上輸送で行われており、これを担う船員のさまざまな技術、輸送技術などによって海運という基幹産業が支えられていることから、日本人船員自体がヒューマンインフラといえます。
海事産業でのヒューマンインフラというと、船員の雇用対策、労働条件の確保、労働環境の改善、労働災害の防止など船員労働行政全般をいうこととなります。
インフラとは、インフラストラクチャーの略で広辞苑によれば、道路・鉄道・港湾・ダムなど産業基盤の社会資本のこと、とあり、最近では学校・病院・公園・社会福祉施設などの生活関連の社会資本も含めていうようである。

歩合制
漁業における使用者と労働者の分配制度の一形態で、漁船所有者と乗組員が水揚代金を一定の率(例えば船主50%、乗組員50%)で配分する方式である。乗組員はこれをさらに役代(やくしろ。職階による配分率)に応じて分配する。水揚代金を船主と乗組員が一定の100分比で直接配分する単純歩合制、漁業の直接経費を天引きした後に配分する大仲歩合制、不漁の時でも最低保障給が支給される最低保障給付き歩合制、固定給と生産奨励金とが支払われる固定給付き歩合制がある。近年は厳しい漁業労働環境や水揚高の減少・魚価安等により固定給に重きを置いた制度に変革しつつある。
フィーダー貨物
コンテナ船は大量、高速輸送を目的としているので、在来船のように多くの港に寄港するのは不経済であり、寄港地は通常航路両端の主要港に限られている。したがって本船の寄港しない港から出荷される貨物、またはその逆に本船の寄港しない港への貨物は陸上、または海上のフィーダー(Feeder)輸送によって主要港へ、または主要港から輸送される。このような貨物をフィーダー貨物という。
フィッシュ・ロンダリング
漁獲物が運搬船に転載される際に、IUU漁船の漁獲物を正規漁船の漁獲物に付け替える行為。
不当労働行為
労働者と本来的に利害総対立する立場にある使用者は、常に団結の妨害工作、団結の破壊、団交の拒否や不誠実な態度を示したり、組合を御用組合化させるなど、憲法第28条が保証する権利を無に帰そうとあらゆる手段を使う。労働組合法は、そのような使用者の妨害行為を不当労働行為としてとらえ(労働組合法7条)、それを禁止する制度を設けている。労働組合法第7条では、不利益処遇(労働組合員であること、組合の結成、加入または組合の正当な行為をしたことなどを理由として昇格停止・配置転換などの差別待遇を与えたり解雇したりすること)と黄犬契約(組合に加入しないこと、または組合から脱退することなどを条件として労働者を雇入れる契約をすること)、団体交渉の拒否(団体の申し入れを拒否したり、不誠実な態度で団交に臨む場合)、使用者の組合支配(使用者が組合の結成ないしは運営を支配したり介入すること、および組合運営のための経費を支出すること)、正当な申し立てや発言に対する不利益処遇の禁止を規定している。
プラザ合意
日、米、独、仏および英の先進5カ国は、1985年9月ニューヨークのプラザ・ホテルで蔵相・中央銀行総裁会議(通称、5カ国蔵相会議と呼ばれる。G5)を開き、当時問題となっていた過度のドル高を是正すべく国際的な政策協調を行う旨の声明を出した。これをプラザ合意と呼んでいる。この年の第1・4半期に米国が第1次大戦直後以来初めて純債務国に転落したことや、日米および欧米の貿易が極度に緊張していたことなどが、合意の背景にある。プラザ合意から8カ月後の1986年5月、東京において先進国首脳会議(サミット)が開催され、この間に円は1ドル=240円から170円まで上昇した。
フラッギング・アウト
1993年11月のFAO総会で承認された「FOC漁船の違法操業の規制に関する国際条約」で、発展途上国の抵抗によりFOCの禁止は盛り込まれなかったものの、公海で操業する漁船について旗国による許可の義務づけと、船籍登録の明確化を要求するなど、公海漁業の透明性を確保する内容を担保するとともに、法的拘束力を有する協定。 協定の発効には25カ国が受諾しなければならないが、日本が受諾する前の受諾国は9カ国。
フラッギング協定
船籍を海外に移籍すること。経営環境改善を目的として、内外船員費格差を活用するため、日本人船員から途上国船員への転換、円高傾向のなかでの為替対策、便宜置籍船との税制の違いによる税金対策などが理由とされている。

ベーリング公海漁業関係国会議
ベーリング海の中央部に、米国・ロシア両国の200カイリが届かない公海があり、ベーリング公海と呼ばれている。この公海はスケトウダラなどが獲れる好漁場であったが、各国の漁船が入り乱れて操業を行ったため資源減少が著しくなり、漁獲が低下してしまった。このため米国、ソ連、中国、韓国、ポーランド、日本の6カ国は、91年2月に関係国会議を開き、翌92年8月に合意を成立させた。その合意内容は①93、94年の漁業中止、②資源量調査のため各国とも2隻以下の調査操業を行う、③95年以降の措置も早期に決定する、というものである。関係国会議の合意をうけ、「中央ベーリング海におけるスケトウ資源の保存管理に関する条約」は関係国が批准の手続き中で、近日中に発効予定である。
便宜置籍漁船
「便宜置籍漁船」とはいっても、ITFにおいてもその明確な定義は定まっていない。わが国漁業者の間で「便宜置籍漁船」とは、国際的な漁業管理機構に参加せず、その枠外で無秩序かつ自由に漁獲を行うことを可能にするために、便宜的に船籍を変更した漁船のことを呼称している。 世界中では今、10数カ国が自国漁船を便宜置籍化して稼働させていると推計され、主な便宜置籍国は中米やカリブ海諸国に集まっている。わが国では、韓国や台湾に比べ、便宜置籍化の実態はごくわずかであるといわれているが、今後、経営の苦しさや合弁事業の難しさに耐えかねて、便宜置籍化を指向する経営者が増えてくるおそれがあるが、わが国がこのような便宜置籍船による漁業に手を染めてはならず、むしろ、これらの漁船を世界の海から排斥して行かねばならない立場にある。便宜置籍化を防止し、国際競争力に耐え得る制度が必要であるという観点で、本組合としても漁船マルシップの導入をはかることとした。
便宜港湾(POC=Port Of Convenience)
主に港湾多国籍企業がグローバル化や規制緩和などを利用し、あらゆる港湾関係コストを削減しようとしている。その結果、未組織労働者や期間労働者の活用、船員による荷役作業、低賃金や長時間労働時間、労働協約の不履行、安全衛生面の質低下などが生じることとなる。このように、港湾労働者の労働条件や労働環境がILOの基準以下になっている港のことを「便宜港湾(POC)」とITFが定義付けている。
変形労働時間
海員の労働時間については船員法により、1日当たり8時間以内、1週間当たり平均40時間以内と定められている。しかし、定期的に短距離の航路を就航する船舶、海底資源の掘削に従事する船舶、及び海員の日ごとの業務に繁閑の差が生じる事が多い船舶に乗り組む海員については、労働時間の特例が認められている。内航船に関係しているのは、海員の日ごとの業務に繁閑の差が生じる事が多い船舶である。具体的に海員の日ごとに業務に著しい繁閑の差が生ずることが多い船舶とは、沿海区域または平水区域を航行区域とし国内各港間のみを航行する総トン数700トン未満の船舶。労働時間については、1日の労働時間は12時間以内、1週間の労働時間は6日について40時間、7日について56時間以内と規定されている。また、向こう1週間の各日について労働時間の明示が義務づけられているが内航船においては、守られておらずこのような違反船が問題となっている。

ボイコット
争議行為のひとつとしてのボイコット(Boycott)は、組合が紛争の相手方である使用者の製品を組合員または一般の第3者が買わないように呼びかけることをいう。
ポリティカルキャンペーン
便宜置籍(FOC)船廃止あるいは、ITFの協約締結を求め行うFOCキャンペーンなど、現場での活動のみならず、国連やILO、IMOなどの国際機関会議への参加や、各国の政府や関連省庁への申し入れなど、政策面での取り組みおよび活動のことをいう。例えば最近では、国連事務総長報告の積極的推進、船員の権利に関するILOの統一基準(ILO統合条約)の作成のための活動などがある。
本四架橋旅客船問題労使協議会
本四架橋の影響に伴う旅客船船員の雇用問題の基本的政策、その他労使双方が合意した事項について協議するため、1977年(昭和52年)に設置された協議会。
本四公団(本州四国連絡橋公団の通称)
本州・四国間の連絡橋にかかわる有料道路および鉄道の建設および管理を総合的かつ効率的に行うことを目的として、1970年(昭和45年)7月1日に設立された。主に本州四国間を連絡する一般国道・鉄道の建設管理、国・地方公共団体等の委託に基づく長大橋の建設ならびにその調査・研究業務等の他に、本四特措法に規定する、交付金の交付や事業者の縮小等に伴う事業の円滑な転換および離職者再就職の促進に必要な措置の推進に寄与するための業務を行う。
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