用語解説

優越的地位の濫用
わが国における事業者間の役務の委託取引においては、特定の事業者間で継続的な取引が行われる場合がある。多くの委託者が継続的な取引を行っている場合には、一般に、受託者が取引先を変更することが困難となりがちであるほか、役務の提供に当たっては、個々の委託者ごとに異なったノウハウや設備を必要とする場合もあって、受託者は既存の取引関係をできるだけ維持しようと努めることとなりがちである。
このように役務の委託取引において継続的な取引が行われ、受託者側が取引先を変更することが困難であって、委託者が取引上優越した地位にある場合に、当該委託者が、受託者に対し、役務の委託取引の条件又は実施について、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えるような行為を行うことは、受託者の自由かつ自主的な判断による取引を阻害し、また正当な条件で受託しようとする者や当該委託者の競争者を競争上不利にさせるおそれがあるものである。
このような行為は、優越的地位の濫用として不公正な取引方法に該当する。
有効求人倍率
労働力の需給関係を占める代表的な指標。公共職業安定所における新規学卒者を除く一般の有効求人件数を有効求職件数で割った値をいう。求職者10人に対し求人6人なら、求人倍率は労働市場における「買い手市場」となり、賃上げに不利な条件となる。
有事法制
有事法制とは、わが国への武力攻撃があった場合、防衛出動を命じられた自衛隊がその任務を有効かつ円滑に遂行するための法制あるいはその整備のことをいう。憲法には有事という概念そのものがなく、現行法制には有事を想定した規定は存在しない。このため早くからいわゆる「三矢研究」などの有事法制の研究が防衛官僚を中心に行われてきた。70年代以降の有事法制研究は、防衛庁所管の法令、他省庁所管の法令、所管省庁が明確でない事項に関する法令の研究、に分類して進められた。こうした有事法制研究は、78年の「日米防衛協力のための指針」によって、その内容と方向性が規定された。97年9月にまとめられた「日米防衛協力のための指針の見直し」により、指針の内容を具体的に位置付け実効あるものとするため、「周辺有事」への対応を含めた関連法の整備という形をとって有事法制はいよいよその姿を現した。
ユニオン・ショップ制
会社側がある労働者を雇おうとする場合に、その労働者が必ずしも組合員であることを要件とはしないが、いったん雇われたならば、ただちに、または一定期間後には必ず組合に加入しなければならないし、また、もし加入しなかったり、加入しても組合から除名されたりした場合は、会社側は必ずその労働者を解雇しなければならないという制度。海員組合はユニオン・ショップ制である。

4号交付金
本四特措法(本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期事業に関する特別措置法)第11条第4号に定める、事業者の規模縮小等に伴い交付される交付金の中で、離職者に支払われる退職金の一部に充てるために要する費用分の交付金。この交付金の金額は政令により、離職の日以前1年間に支払った各人ごとの給与の額を基礎として、公団が定める方法により算定した各人1カ月当たりの給与の額に8を乗じて得た金額となる。この場合の給与の額とは、労働の対償として支払われるもののうち時間外労働に対するもの、臨時的なもの、実費弁償的なもの、福利厚生的なもの、通貨以外で支払われるものおよび賞与を除外したものとなる。
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