本部会館の紹介
全日本海員組合の結成は戦後すぐの1945年10月ですが、前身の日本海員組合の結成(1921年)から数えると、100年を超える歴史のある日本で唯一の産業別労働組合です。
戦前以来、海員組合の本部は神戸に置かれていましたが、戦後に活動の中心が東京に移ったため、移転の可否が問題となっていました。しかし、神戸は海上労働運動発祥の地であり、初代組合長が私財を投じて建設した神戸の本部建物からの移転には強硬な反対意見もありました。
3度にわたる全国大会での議論の末、東京への移転が決定されたのは1959年でした。そこから敷地選定の結果、現在の六本木の敷地に決定し、1961年に建築家・大髙正人氏に設計を依頼します。
こうして、1964年に「組合員の団結の象徴」※として完成したのが現在の本部会館です。
以来60年間、組合の拠点としてその活動を支えてきました。
※「組合本部会館完成」『船員しんぶん』(第887号、1964年3⽉16⽇)より
- 建設 設計:大髙建設設計事務所 施行:鴻池組東京支店
- 改修 設計:野沢正光建築工房 施行:竹中工務店