船員ってどんなお仕事?

船員ってどんなお仕事?

船には、どんな仕事があるのだろうか。
東京~八丈島を結ぶ東海汽船の「さるびあ丸」に乗って、実際に働いている人の仕事ぶりを見てみよう!

【事務部司厨員】 中村 哲さん

仕事風景

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Q.どんな仕事をされているんですか?

わたしは事務部に所属し、司厨員という立場になります。主な仕事は、お客さまの案内などの接客と、客室や廊下などの掃除です。

「さるびあ丸」は、22時20分に東京の竹芝桟橋を出港。この2時間前に入港して来ます。下船の案内をしてお客さまを降ろしたあとは、部屋を掃除。それが終わったら、新たに出発されるお客さまを迎える用意をします。出発してからも、ご希望のお客さまに有料の毛布を貸し出したり、上級席への切り替えを希望されるお客さまに手続きをしたり、検札などの仕事が続きます。

船の仕事ですから、快適さに加え、安全性が求められるのは当然のこと。船内は、喫煙スペースを除いて全面禁煙ですが、ついうっかり廊下などでタバコを吸っている人も。見かけたら、お客さまではありますが、厳しくご注意しますね。ほかのお客さまの迷惑になることですし、何よりも安全第一ですから。

23時半になると、消灯の案内放送をし、共有スペースや大部屋の電気を落とします。もちろん消灯後も、われわれ事務部のスタッフも交代で当直に当たります。一般的に船の仕事は、4時間交代で当直(仕事)をしますが、「さるびあ丸」の航路は島と島の間が近く4時間と経たないうちに入港と出港を繰り返すので、こういった事情も織り込み、実際のシフトが組まれています。

Q.仕事で、ヤリガイを感じる瞬間は、どんなときですか?

お客さまに安全で快適な船旅を提供できたと実感できたときですね。例えばこの船は、夏期は東京~神津島を運行するようになります。海水浴など観光客が多い島を結ぶわけで、多いときには1000人ものお客さまが乗ることも。携帯電話や財布などの忘れものも多く、お客さまは非常に困られている。そんなときわれわれが手分けして探し、見つかったときには非常に感謝されます。お客さまの声ボックスに投書されていたり、会社宛にメールが届いたり。うれしいですね。

Q.仕事上では、どんなことを心掛けているのですか?

お客さまの安全ですね。八丈航路で寄る島は、東京を出たあと、三宅島、御蔵島、そして八丈島となります。小さな島のため、防波堤が十分でなく、船が着く突堤があるだけという島もあります。だから、船がもろに波を受ける。入出港の際は大きく揺れるので、特に気を使いますね。船内放送も念入りになります。あまり揺れが激しいときは、甲板部からも「今日はすごく揺れるよ」と連絡が着ます。その連絡を受け、重ねて船内放送をする。お客さまが転ばれたり階段から転落されたりするのが、一番怖いですから。

せっかちなお客さまは、どうしても港が近づくと出口付近へ行かれるんです。そんな場合は、「いったん席に戻ってください」とお願いします。飛行機はシートベルトを締めないと出発しないですよね。そこまで厳密ではないですが、「席に戻ってください」と厳しくお願いします。お客さまの安全のためですから。

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