体験乗船レポート

過去に開催されたイベントです。

2010年7月26日 東京港体験クルージングに320人 初めてのクジラ料理に笑顔

夏まっ盛りの2010年7月26日、海員組合・全国海友婦人会主催、東京ヴァンテアンクルーズの協賛で「東京港体験クルージング」を実施した。「ヴァンテアン」(1717総㌧、東京ヴァンテアンクルーズ運航)には東京近郊の小・中学生と保護者320人が参加、竹芝桟橋から羽田沖を折り返す約2時間のクルージングを楽しんだ。

また、国際物流の中枢拠点として24時間活動し、首都圏の生活と経済を支える東京港の役割と船の重要性、船員職業の魅力などを学んだ。

午前10時20分乗船開始。子どもたちは、受付でもらったクジラのひげを不思議そうに見つめながら船内へ。

東京湾を一望するデッキで開会式が行われた。主催者を代表して池田国際・国内政策局長が「日本の貿易量の9割が船で運ばれている。この船を運航しているのが船員。今日は船を楽しみ、船員さんと話をして、海と船をよく知ってほしい」とあいさつした。

全国海友婦人会の橋本則子会長は、あいさつでクジラの食文化に触れ「若いお母さんに新しい食材としてクジラを見直してほしい」と話した。ヴァンテアンの芝口喜久治船長は「『ヴァンテアン』はフランス語で21。21世紀の東京を海から眺める船という意味で名付けられた」と船名の由来を説明した。

操舵室見学では、「これなぁに?」「どうやって使うの?」とたくさんの質問が。芝口船長が操舵や計器、レーダーなどを分かりやすく説明した。「展望室みたい」と双眼鏡をのぞいて船長気分に浸る姿が印象的だった。

ロープワーク体験では、結び方の基本から緊急時に使えるもの、普段の生活に役立つものまで教わった。悪戦苦闘する子どもたちを、保護者も一生懸命応援していた。

午後零時、ドラの音が響きわたる中、ヴァンテアンが竹芝桟橋を出港。東京のシンボル「東京タワー」を望み、前方にはお台場と芝浦を結ぶ全長798㍍の巨大なレインボーブリッジが姿を現す。海から見るブリッジは迫力満点。シャッターを切る家族連れでデッキはにぎわっていた。

そろそろおなかもすいたころ? 船内に香ばしい香りが漂ってきた。今クルーズでは日本の食文化をアピールしようと、共同船舶の協力で「鯨肉試食会」が開かれた。

竜田揚げ、フリッター、たたき、ソティーの4種類を賞味した。子どもたちは小さな口いっぱいにクジラをほおばり「これ、お肉みたい」、「クジラじゃなくてから揚げじゃないの」、「とってもおいしいよ!」と初めてのクジラ料理を笑顔で味わっていた。

食事会の次は、全国海友婦人会が手芸教室「8の字結びでストラップを作ろう」を開いた。小さな手を器用に動かし、ビーズをひもに通す作業に苦戦しながらも、完成するとみんないい笑顔。ストラップは、橋本則子会長が350本を用意したという。

また、共同船舶と捕鯨協会による「パネル展」ではクジラの栄養価と調理方法などを説明。子どもたちには、本物のマイルカの頭部骨格に触れるコーナーが人気だった。

クルーズの最後は、クイズの当選発表。正解者には「ヴァンテアン乗船招待券」「鯨の絵本」などが手渡された。午後2時、航海を終え、竹芝桟橋に着岸。参加者は夏休みの思い出を胸に本船を後にした。

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