体験乗船レポート

過去に開催されたイベントです。

2010年3月24日 因島の3中学 152人 4月の統合前に生徒の交流

3月24日、広島県因島で今年4月から統合される地元3校の中学1年と2年生152人、教職員と関係者ら合わせて195人が土生商船のフェリー「第二かんおん」で、終日雨の中、春の瀬戸内をクルーズする体験乗船を行った。

午前8時20分に土生(はぶ)を出港、船内で弓削商船高等専門学校の元先生の堀富士男さんが講演、弓削瀬戸を通り大島の友浦港で一度下船して、宮窪町まで移動した。ここで今治市村上水軍博物館(矢野均館長)を見学、雨天で潮流体験は中止となったが、昼食をとり折り返し友浦港を出港した。潮流が早く難所の船折瀬戸、村上水軍の海城だった能島(のしま)を見ながら、鼻栗瀬戸、多々羅大橋付近を航行、午後3時過ぎに土生港に無事帰着した。

講演した堀富士男さんは、山下新日本汽船から弓削商船高等専門学校の教員に転身、専門は積貨論だった。乗組員の命と財産を守る、ペルシャ湾の航海など自分自身の体験も交えて、世界の船舶と造船所などに関わるテーマで話した。
昭和47年から33年間教えてきた。よどみない弁舌は現役とまったく変わらないほどの70歳。

元気盛りの生徒たち。先生たちから「すべるけ きーつけよ」「はよ ならべや」など次々に指示が飛ぶ一日だった。話を聞くとき私語をしないよう、厳しく徹底していた。

村上水軍博物館では矢野館長と田中謙学芸員が学年毎に分かれて説明した。500年前の「よみがえる能島村上水軍の足跡」を映像で見た。生徒が来館した際、矢野館長は概要を説明した。三島村上氏と呼ばれ南北朝から戦国時代にかけ瀬戸内海で活躍した一族で、能島、来島、因島の三家あった。

戦国時代には瀬戸内の広範囲を支配し、能島の村上氏は独立性が高く、村上武吉は、どの大名にも臣従しないで、独自の姿勢を貫いた。

西は九州から東は塩飽諸島の海上交通を掌握し、戦時に小早船を巧みに操り戦闘し、平時は水先案内、海上警固、運輸など、海の安全や交易・流通を担う重要な役割も果たしていた。

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