体験乗船レポート

過去に開催されたイベントです。

2010年3月28日 さんふらわあこばると体験乗船

3月28日、大阪市の大阪南港で「春休み大阪湾体験クルーズ」を開催した。同クルーズは大阪南港から関西国際空港を折り返す2時間30分の行程。近畿圏の小中学生など約500人が「さんふらわあ こばると」(9245総トン・フェリーさんふらわあ運航)に乗船し、多くの国内外の客船や大小さまざまな船舶が輻輳(ふくそう)する大阪湾で船の役割と重要性、船員職業の魅力などを学習した。

海員組合主催、フェリーさんふらわあの協賛で開催された。この体験クルーズは、船員の後継者確保・育成推進事業の一環。組合の第65年度活動方針に基づく「子ども体験乗船と第一線で働く船員との直接会話」を柱に、船員との直接対話により船員職業が子どもたちの進路選択の一助となることを目的として各地区で開催されており、昨年8月に宮城県で行った松島ベイクルーズを皮切りに今回で8回目となる。

午前10時30分、大倉大阪支部副支部長の開会宣言で出港式が始まった。主催者あいさつで大内組合長代行は「船は皆さんの生活を支える大切な輸送手段。今日の乗船を機会に海のこと、船の役割と船員の仕事に関心を持ってくれることを期待しています」と子どもたちに訴えた。

「さんふらわあ こばると」の楢橋均船長、大西武春機関長、荒巻偉友事務長が紹介された後、運航会社のフェリーさんふらわあの黒石眞代表取締会長があいさつ。

この後、参加者約500人は本船に描かれたシンボルマークの太陽をバックに記念撮影。午前11時15分開放されている車両ランプから船内に乗船した。

出港までの間、参加者はデッキや客室などで思い思いに過ごした。午前11時45分ドラの音が響きわたる中、大阪南港を出港、体験乗船がスタートした。

操舵室の見学では、塩足春哉3等航海士が子どもたちに自動車と比較しながら操舵輪や計器、窓の上に並んでいるたくさんのメーターの役割などを説明した。特に子どもたちの興味を引いたのがレーダー。「これ世界中写るの?」、「これって本物?」など、純粋な子どもたちの質問に塩足先生はタジタジだった。

操舵室の見学と並行して行われていたロープワーク教室では、元気な子どもの笑い声に包まれながら大阪市が所有する航海練習船「あこがれ」の徳川恭子3等航海士らがロープを使い、クラブヒッチ(巻き結び)、リーフノット(本結び)などを分かりやすくレクチャー。複雑な結び方に子どもより大人が真剣に学んでいたようだ。

また、船内では子どもたちにも分かりやすく解説された「船のことが一目でわかるパネル展」に見入ったり、制服を身にまとい船長気取りで記念撮影する子どもの姿が印象的だった。

午後2時15分、無事に航海を終え「さんふらわあ こばると」は大阪南港に着岸した。下船後の解散式で後藤関西地方支部長は「体験乗船を通して船・港・船員を身近に感じていただけたと思う。このクルーズを機会に1人でも多くの子どもが船員を目指すことを期待しています」とあいさつ。参加者は、記念グッズと記念写真を片手に岸壁を後にした。

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