海のない栃木県に、水産高校? そんな意外な設定からはじまる青春小説です。「普通」から抜け出したくて、通称“ナカスイ”に入学した鈴木さくら。そこで待っていたのは、鮎を溺愛する教師、何よりも魚を優先する同級生、アニメ好きの地元ギャルなど、個性豊かな面々でした。少子化による廃校の危機を乗り越えるため、さくらたちは「ご当地美味しい!甲子園」に挑みます。ザリガニ、サワガニ、ナマズ……川の恵みがどんな料理に変身するのかも見どころです。栃木県に実際の「水産高校」はありませんが、県内に実在する淡水魚を専門的に学べる高校の水産科がこの物語のモデル。水産とは、海の魚だけではなく、川や湖の生きもの、それを育む環境や食文化にもつながるもの。ナカスイのにぎやかな日々を追いかけるうちに、水産の世界がぐっと近く、面白く見えてくる一冊です。

Column
今月の1冊

ナカスイ!海なし県の水産高校
著者:村崎なぎこ
出版社:祥伝社(初版2023年3月)
出版社:祥伝社(初版2023年3月)





