資料館のご案内



●『献辞』

写真
資料館入口には「海に墓標を(海員不戦の誓い)」のプレートと献辞が壁にはめこまれている。
◎全日本海員組合 組合長 中西 昭士郎
 あれから半世紀余の歳月が流れた。容赦のない電撃と空爆に追われ、傷つき焼かれ、機雷の海深く沈められた彼女たちのうめきと悲しみ、身もだえが今も伝わってくる。
 中国との全面戦争から1945年8月の軍国日本の敗北まで、多くの船員と民間船舶が戦時動員され、南方海域で日本沿岸・周辺海域で犠牲となった。「海に墓標を」は、絶対に記憶を風化させてはならないと叫ぶ船と人の無言の訴えである。
 海外諸国との友好と協調によって生きる海洋国日本にとって、平和な海は絶対の生存条件であり、われわれ船員は再び海を戦場にしてはならないと決意する。これは21世紀日本の国民のいのちと暮らしを守る安全保障政策にとってのかなめである。
 このたび、「戦没船を記録する会」と全日本海員組合の共同により、鎮魂と不戦の誓いのあかしとして戦没船の記録「海に墓標を」を建立し、今を生きるものから後世へ、確かに伝える。

2000年8月15日



◎戦没船を記録する会 会長 川島  裕
 つつしんで、6万余の海霊に捧げます。
 あなた方は、過ぐる大戦において輸送船に乗り組み、寒風肌を刺す北海から炎熱鉄をも溶かす赤道直下の南洋までの広大な海洋を舞台として、兵員・武器・弾薬その他の軍需民需物資の決死の輸送に、その身を挺して活躍されましたが、過酷な武器なき戦いを強いられ、その尊い生命を蒼海深く沈め、ふたたび還ることはありませんでした。
 そのこうべには冠もなく、その胸を飾る勲章もありません。
 けれども、あなた方のいさおしは、海の平和を守る礎として、凛として万世に光り輝くでしょう。
 墓標なき海深く眠る御霊よ、私たちはあなた方の魂魄を鎮めようと、全日本海員組合の絶大な協力を得て、ここにあなた方が生命をかけて守ろうとした船の在りし日の麗姿を展示し、海の恒久平和を願うよすがといたします。
 御霊よ、どうか、わたしたちの心からなる祈りに耳を傾けてください。「安らかに眠れわが友よ、波静かなれ永久に」

2000年8月15日



●『資料館を支えるグループ』のメンバーが研究員として活躍

 マスコミ報道の影響もあって、資料館はオープン以来、多くの遺族や一般市民の見学で賑わっている。これらの見学者には、資料館を支えるグループである上澤祥昭さんをはじめ、6人が研究員としてボランテアで説明や案内などの対応にあたっている。
 また、資料館には調査依頼書が備え付けられ、来館者が質問や調査について記入、研究員らが調査し、後日、依頼者に調査結果を伝えている。
岡村世紀一研究員 池上孝雄研究員 岩岸昇治研究員
岡村世紀一 研究員

 池上孝雄 研究員

 岩岸昇治 研究員

藤博彬研究員 大井田孝研究員 上澤祥昭客員研究員
遠藤博彬 研究員



 大井田孝 研究員



上澤祥昭 客員研究員




展示室 ガイドマップ" 資料館の住所
神戸市中央区海岸通3−1−6 全日本海員組合関西地方支部 内
電話番号 078-331-7588
メールアドレス:siryokan@senbotsusen-jsu.jp