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海洋人の会

「海洋人の会」は、学者、著名人や文化人を中心として「海と海に働く人々をこよなく愛する」各界有志による応援団として1983年に発足しました。現在、立川賢一会長、安中栄子会長代理、幹事若干名、事務局は海員組合広報室が担当しています。海に関わる文化行事を開催して活動に取り組んでいます。
「海洋人の会」は、会員の推薦があればどなたでも会員になることができます。また会が主催する催し物は、ほとんどが「公開講座」で、 一般の方も自由に参加(入場無料)できます。催し物は海員組合のホームページ(イベント情報)や「船員しんぶん」にも案内が載ります。各種のお問い合わせは事務局(組合本部・広報室)で行っています。
参考までに最近の活動を紹介します。
よろしかったら、お誘いの上ご参加ください。

海の恵みに感謝し、平和の国を希求しよう

-「海の日」制定10周年にあたって-

1996年「海の恩恵に感謝し、海洋国目本の繁栄を願う日」として「海の日」(7月20日)が国民の祝日として制定されて、本年7月で10周年を迎えました。「海洋人の会」はこの制定の運動を推進する海事諸団体の中にあって、海を愛する人々の集まり」という大衆組織としてこの運動に参加してきました。そして「海の日」が制定された後は、制定の精神を生かした「海事思想普及のための会」、「海が好きでたまらない人々の会」として海について学び、語らいながら今日まで存続・発展をしてまいりました。この間、全日本海員組合からは会の事務局を担当するなど多大の援助をいただきました。

10年前、「海洋人の会」再発足に当たっては、私たちの運動に対して惜しみない援助を与えていただいた中西組合長(当時)から海の日制定までの運動の経過の報告をしていただくとともに、いまは亡き網野善彦先生のご講演を承りました。網野先生からは日本人は古来進取の気性に富む「海洋人」であったこと、「日本海」は朝鮮半島、中国、ロシア、日本に取り囲まれた友好平和の海であったことを学びました。私たちはまた、まぐろ・かつお船の話、うなぎの生態や船作りの話、捕鯨解禁への努力や南極の話などをお聞きし、海の豊かさについて多くを学ぶことができました。一方で、第2次大戦中多くの船舶が船員と共に徴用され、軍艦・軍人以上に戦没・死去されたことも知りました。

10周年を迎えた今なお、世界に戦乱はやまず、それから派生する石油高騰に見舞われ、物価も上昇しつつあります。私たちは七つの海を通じて船が行き交い、平和で自由な交易が栄えることを、また汚染されない豊穣の海を取り戻すことを願わずにはおられません。

海洋人の会はこのためにいささかなりとも努力することを誓い、ここにIO周年のアピールといたします。

2006年7月30日

海洋人の会総会

最近開催した文化行事

2003年10月17日秋季文化講座
「ヨットと安藤のかかわり」
講師:安藤脩二氏(海洋人の会幹事)
本部・地下大会議室
2004年4月10日春季行事
第5福竜丸展示館の見学と元乗組員大石又七氏の講演
その後、東京大空襲・戦災資料センターの見学会を行った。
2004年7月24日
「海の日」記念夏季文化講座
「海峡が隔てる差異 - 人情の韓国社会と義理の日本社会 」
講師:千葉大学教授 趙景達氏
講演の後、鯨料理で懇親を深めた。マリナーズコート東京
2004年10月30日
秋季文化講座「もてなしの優しさ 日本の客船」
講師:日本郵船歴史博物館館長代理 金澤 寛治氏 氷川丸船上
講演の後、夜景を見ながらパーティー   ナビオス横浜
2005年1月28日
新春文化講座「南極大紀行~地球の今を見つめて~」
講師:佐々木 元氏  NHK科学・環境番組部チーフプロデューサー
文化講座終了後、立食パーティーで懇親をふかめた。
本部・地下大会議室
2005年4月22日
春季文化行事「調査捕獲の現場を語る」
現役の船長と砲手の案内で調査捕鯨母船とキャッチャーボートの船内見学
その後、ナビオス横浜で調査捕鯨の実態と乗組員の生活を描いたビデオ鑑賞
続いて鯨料理を囲んで懇親会
2005年7月30日
終戦から60年 特別記念文化行事(パネル講演会)
講師: 久我吉男さん  元船員で、戦没した「悠紀丸」唯一の生存者
野間恒さん  「商船が語る太平洋戦争」著者
宇佐美昇三さん  船舶史研究家
会場: ホテル・マリナーズコート東京
参加者は50人をこえ、当時の様子はNHKでも放送された。講演会の後、鯨料理を囲んでハーモニカ演奏なども入って懇親をふかめた。
2005年10月25日
秋季文化行事「神秘なウナギと海の環境」
講師: 立川賢一 東京大学海洋研究所講師
会場: 海員組合会議室
日本人なら皆が大好きなウナギ、しかしその実態はあまりにも知られていない。ウナギの神秘性と絶滅種にもなりかねないウナギを通して環境保護の重要性を語ってもらった。参加者は35人、講演の後には立食パーティで懇親会。
2006年7月30日
「海の日」記念夏季文化講座

「海の日」が祝日化したにもかかわらず規制緩和政策のもと、船員を取り巻く状況が激変し船員数の減少に歯止めがかかっていない。国民生活と産業活動を底辺から支える内航船員の荷役・航海を映した映像と、昨年、組合創立60周年を記念して製作された「第66回定期全国大会」のビデオ映像を参考に、「船員を取り巻く現状」と題して文化講座を開催した。

  1. 講演:船員を取り巻く状況
    副組合長:藤澤 洋二
  2. 映像で見る内航船員
    コメンテーター:教宣部 松見 準
  3. 第66回定期全国大会
    コメンテーター:映画監督 片桐 直樹
    会場: ホテルマリナーズコート東京
    文化講座終了後、鯨料理を囲み懇親を深めた。
2007年3月24日
春季文化行事
講師:
  1. 元日本郵船機関長 吉野克男さん
    演題:地球を旅した船乗りの思い出
  2. 大洋エーアンドエフ株式会社
    まき網グループマネージャー 平田 淳一さん
    演題:映像で見る赤道直下での海外巻網漁業
2007年7月7日
夏季文化行事

最近の「外航海運を取り巻く状況」について池田国際局長の講演の後、先の戦争で徴用され戦没された船員遺族に戦没船模型を作り、送り届けている佐藤明雄さんに「慟哭の海なお深く」の演題で講演を聴いた。

  1. 外航海運を取り巻く状況
    全日本海員組合国際局長:池田 秀男
  2. 慟哭の海なお深く
    甲南大学 名誉教授:佐藤 明雄
2008年7月19日
夏季文化行事
ブラジル移民100年にあたる今年。移民にまつわる、これまでの歴史を振り返る講演をしました。
「ブラジル移民100年に寄せて」
海洋人の会会員:土井全二郎 (元朝日新聞編集委員)
講演の前に開かれた総会で、役員改選があり、新会長に立川賢一氏、会長代理に中島道子氏を選出。永年役員を務めてきた山口孝会長と花原二郎会長代理は退任しました。
2009年7月18日
夏季文化行事
藤澤組合長
「世界の海運事情と船員問題」
宮崎信之東大教授
「バイカルアザラシの行動と環境」
総会後の夏季文化行事として、藤澤組合長が「世界の海運事情と船員問題」の演題で講演した。この中で、世界的な海運と船員事情を解説的に説明、日本人船員の確保問題について分かりやすく言及、質疑応答で理解を深めた。
また、宮崎信之東京大学海洋研究所教授は「バイカルアザラシの行動と環境」と題して、バイカル湖の生物的頂点に位置するバイカルアザラシの生態を紹介した。①バイカルアザラシの生活②人為的環境汚染の影響③いつから住み、湖に閉じ込められたか④地球環境変動との関係⑤水中行動の特性⑥有害化学物質による水汚染と生物への影響⑦インフルエンザウイルス―などを紹介した。
2009年10月17日
秋季文化行事

塚本久美子農学博士

東大海洋研
塚本久美子農学博士

東京大学海洋研究所の塚本久美子農学博士が「海の中の小さな生き物たち―絵本で見る微生物の世界」をテーマに講演した。海洋微生物の研究に携さわり、研究航海への乗船が許されなかった就職当時から、乗船研究者の三分の一が女性のこともある現在までの、海洋研究での女性研究者の活躍の変遷などを語った。
目には見えない空気の中、手のひらの上、お腹の中にも、ありとあらゆるところに存在する微生物。食品、医療、浄水の分野などさまざまなところで力を発揮している。塚本さんは、微生物の魅力と不思議に惹かれ、子どもたち向けに、大人も楽しめる不思議な微生物の世界を楽しむ本「いいこと教えてあげる~びせいぶつのひみつ~」も出版した。

2010年2月8日
海の文化講座
海賊対策の実情を聞く

海の文化講座

ソマリア沖の海賊問題の実情を現場経験者から話を聞く機会を模索してきた。
自衛隊神奈川地方協力本部の五島浩司本部長を招き、アデン湾・ソマリア沖 海賊対策の実情をテーマに講演した。講師の五島氏は、昨年初めてソマリア沖アデン湾に3月13日から7月25日まで、第一次派遣隊2隻の隊指令として指揮を執った。「海上警備行動」として現地派遣が決まってからの事前準備の苦労、現地での護衛状況、活動を終了した後の総括など、画像を写しながら、体験を交えて語った。
苦労したのは、白紙の状況から組み立て任務に就いたこと、漁民と海賊との選別などだった。護衛された商船から終わった後に、感謝のメッセージが届いたことも紹介された。

2010年5月8日
春季文化行事

東京港ってすごい
東京みなと館  大野伊三男館長

五月晴れの5月8日、東京・青海にある「東京みなと館」で海洋人の会春季行事が開かれた。JR新橋駅から「ゆりかもめ」に乗って約15分、東京みなと館は昨今、外国人旅行者にも人気のスポットとなっているお台場の程よく近くにある。日の出桟橋から水上バスに乗って、お台場経由で会場へ集まった参加者もいた。ひとときのレジャー気分を味わえた。


今回の目玉は「体験型講演会」! ということもあり、32人の参加者となった。意外と知られていない「大都市を支える身近な東京港」の歴史と文化を知る。そしてこれからの国際物流を担うための役割などについて、館長の大野伊三男さんからビデオ上映も含めた講演を聴いた。その後、館内展示室を見学、丁寧に案内をしてくれた。

2010年7月24日
夏季文化行事

岩崎弥太郎を支えた「朝敵」会津の船乗りたち
平山誠一・組合顧問

海洋人の会(立川賢一会長=会員125人)は、7月24日午後3時から東京・中央区晴海のホテルマリナーズコート東京で、総会と夏季文化講座を開催、会員など約30人が参加した。総会では会員を増やし、これからも海への理解を深めるために働きかけていくことを確認した。夏季文化講座で「岩崎弥太郎を支えた『朝敵』会津の船乗りたち」を平山誠一組合顧問(写真)が講演した。


立川会長は開会で、海の日が制定され15年目で、海洋人の会が今後大きな役割を担っていくよう呼びかけた。①年間行事計画②役員改選を審議した。2年毎の役員改選で立川会長、中島道子会長代行、渡辺啓三幹事などの現役員が再任された。立川会長は若者の参加を増やすため、ホームページなどで会員を募ることや会員増への協力を要請した。


講演は、NHK大河ドラマ「龍馬伝」の主人公と「日本近代海運の祖」といわれる岩崎弥太郎から始まる。海援隊を通して海運業を学んだことで弥太郎のその後があったと説く。
そして歴史の織り成す中で、戊辰の戦いに敗れた旧会津藩の子弟が。なぜ海を目指したのか。謹慎処分の下北移住と深くかかわりがあった。会津の山猿たちを一人前の船乗りに鍛え育てた人物像に深く迫る講演となった。

2010年11月27日
秋季文化行事

捕鯨への認識を新たに
大隈清治・日本鯨類研究所顧問

海洋人の会(立川賢一会長)は、11月27日午後、海員組合本部で秋季文化講演会を開いた。30人が参加し、日本鯨類研究所の大隈清治顧問が「捕鯨と日本人」について講演、捕鯨へ理解と認識を新たにした。


大隈顧問は、半世紀以上もの間、鯨の資源調査と研究に取りつかれてクジラとヒトの共生を追ってきた。講演では。日本で捕鯨が発達した社会的、歴史的、自然条件などの観点から説明した。鯨は「恵比寿」、海から幸せをもたらす神。漁業への直接、間接的な貢献がある。
冒頭、日本の捕鯨とイルカ漁業を巡る最近の話題に言及した。この中で、シー・シェパードによる日本の調査妨害と調査船への不法侵入、グリーンピースによる鯨肉窃盗事件の裁判、映画「ザ・コーブ」の日本での上映など過激化する状況に触れた。
世界における捕鯨の現状も詳細に述べた。国際捕鯨取締条約の中では、先住民生存捕鯨の米国、ロシア、デンマーク、セントビンセント。異議申し立てし捕鯨を続けるノルウェー、アイスランドや条約8条にある調査捕鯨の日本、アイスランド。


このほか条約外で捕鯨をしている非加盟国のインドネシア、カナダ。条約の管轄外の鯨種を捕る日本、デンマークなどや漁業による混獲鯨を利用する日本、韓国などがある。
反捕鯨の主張と現実の矛盾も厳しく分析した。現在は、何が何でも捕鯨に反対する段階で、当初の主張であった絶滅に瀕しているは影もない。そして知能が高い、殺し方は残酷、ついに捕鯨は倫理に反すると言ってきた。


新しい日本型捕鯨と古い商業捕鯨、新捕鯨構想のほかIWC(国際捕鯨委員会)における今後の日本の対応について予測し、IWCに留まるか、脱退にも及んだ。
1967年から連続してIWC科学小委員会に出席した。95年から2004年は同研究所理事長を務め、現在は顧問。和歌山県太地町立くじらの博物館名誉館長をしている。06年に鯨類資源に関する科学技術研究振興の業績でノルウェー王国功労賞を受賞した。

2010年11月27日
秋季文化行事

2011年11月26日
秋季文化行事

放射能汚染を基礎から学ぶ
大東文化大学 山口由二環境創造学部教授
茨城大学 二平章(にひら・あきら)客員研究員


海洋人の会(立川賢一会長)は、11月26日午後、海員組合本部で秋季文化講座を開いた。大震災のため、昨年11月の秋季文化講座から1年ぶりに開かれ、36人が参加した。

立川会長のあいさつで始まり、原発事故による放射能の汚染について、2人の講師の講演により基礎から学ぶ機会となった。

講師は、海洋人の会で事務局次長を務める大東文化大学環境創造学部の山口由二教授で、演目は「放射能汚染の生態系に及ぼす影響について」。ハチ類と土壌生物を用いた放射能汚染のモニタリングを講演した。

ミツバチを使って放射能汚染の実態調査ができないかという視点から、生態系での食物連鎖による放射性物質の移行の実態を調査した。結果は、放射性物質は巣蜜の状態で検出されハチミツの状態では検出される量は低かった。

次に、茨城大学二平章客員研究員(写真)が「水産生物および漁業に対する影響について」講演した。 
海洋中の放射性物質の動きとして、さまざまな生物間の転移があると説明。さらに生物濃縮があり、海水魚と淡水魚では生物学的半減期は海水魚が短いことが分かっていること、魚への汚染の特徴として浮魚には出ていない。移動性の高い回遊魚はすべて規制値以下となっていることなどを話した。

講演に先立って幹事会も開かれ、次回以降の行事について検討した。野外行事や日本海から見た北前船をテーマした講演会を行うことなどで意見交換した。


来年3月3日には、幹事でもある黒田輝彦氏によるDVD「吼える40度線」を上映することを決めた。これは、南アフリカのケープ沖でミナミマグロを追う土佐の遠洋マグロ漁船の操業の記録である。

平成8年12月に新さくら丸で開催された催しの様子
平成8年12月に新さくら丸で
開催された催しの様子
イメージ
 
懇親会でフォークグループの演奏に手拍子をうつ参加者
懇親会でフォークグループの
演奏に手拍子をうつ参加者
講演で「戦没した船員の遺族の涙が乾かぬうちは、戦争は終わっていない」と語る佐藤明雄さん
講演で「戦没した船員の遺族の
涙が乾かぬうちは、戦争は
終わっていない」と
語る佐藤明雄さん

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